非特異符号
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/08/04 04:40 UTC 版)
情報源の各シンボルが異なる符号語に写像される場合、すなわち、情報源シンボルから符号語への写像が単射である場合、符号が非特異(non-singular)であるという。 例えば、写像 M 1 = { a ↦ 0 , b ↦ 0 , c ↦ 1 } {\displaystyle M_{1}=\{\,a\mapsto 0,b\mapsto 0,c\mapsto 1\,\}} は、"a"と"b"の両方が同じビット列"0"に写像されるため、非特異ではない(特異(singular)である)。この写像を拡張すると、非可逆符号になる。このような特異符号は、情報の損失が許容可能である場合(音声や映像の圧縮など)には有用である。 写像 M 2 = { a ↦ 1 , b ↦ 011 , c ↦ 01110 , d ↦ 1110 , e ↦ 10011 , f ↦ 0 } {\displaystyle M_{2}=\{\,a\mapsto 1,b\mapsto 011,c\mapsto 01110,d\mapsto 1110,e\mapsto 10011,f\mapsto 0\}} は非特異である。その拡張は可逆圧縮となり、一般的なデータ送信に有用である(ただし、この機能は必ずしも必要ではない)。非特異符号は情報源よりも必ずしも小さくなる必要はない。多くの応用において、符号長が長くなることが有用な場合もある。例えば、符号化や伝送時の誤りを検出・復旧するため、セキュリティアプリケーションでは検出不能な改竄から情報を保護するためなどである。
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