霊魂消滅説をとる教派の見解
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「霊魂消滅説」の記事における「霊魂消滅説をとる教派の見解」の解説
霊魂消滅説で根拠とする聖書中の記述 アダムが罪を犯した際、「あなたは塵だから塵に帰る」と神に言われた。さらに死者は基本的には何も出来ない状態とされている。死人には復活の可能性がある事をイエス・キリストは教えた。復活の奇跡を何件か行なっているが、人が死んでいた際の記憶などは記述されていない。 エゼキエル書18章4節(口語訳)には「罪を犯した魂は必ず死ぬ。」と書いてある。18章20節(口語訳)でも「罪を犯す魂は死ぬ。」と書いてある。イエスの例え話や黙示録などに出てくる永遠という言葉の原語には、「一世代存続する」という意味があり、「死」や「滅び」という刑罰の状態そのものが永遠なのではなく、刑罰は「一世代」、つまり一定期間ののち終了し、悪人の霊魂が滅びる(消滅する)という結果が永続すると主張する。 セブンスデー・アドベンチスト教会の見解 死後の状態について、人間は魂と肉体を分けることのできない存在であり、肉体の活動が停止すると同時にすべての精神活動も停止し、よみがえりの時まで無意識の眠りの状態にあるとする(伝道の書9:5、ヨハネによる福音書5:28-29)。死んだら魂が天国か地獄に行くということを信じない。同教会にて「主の使者」であり、「つねに信頼のおける真理のみなもと」とされるエレン・G・ホワイトの著書『大論争』535ページ、『初代文集』221ページに記されている。 エホバの証人の見解 チャールズ・テイズ・ラッセルはキリスト教系の新宗教であるエホバの証人を設立する前に、セブンスデー・アドベンチスト教会についたり離れたりしていた。その中で後に彼の教義体系の中核になるものをつかんでいき、セブンスデー・アドベンチスト教会の本の中の「地獄というのは墓にすぎない」という教義を借用して、永遠の刑罰の教えに反対し「地獄」(マルコによる福音書9:43~48)の存在を否定した。エホバの証人は見解として以下を述べている。 コリントの信徒への手紙一15章26節(口語訳)では「最後の敵として滅ぼされるのが、死である。」と書いてあり、ヨハネの黙示録20章14節(口語訳)では「それから、死も黄泉も火の池に投げ込まれた。この火の池が第二の死である。」と書いてある。「死」という概念が地獄で「世々限りなく日夜、苦しめられる」というのは考えにくいため、「第二の死」はテサロニケの信徒への手紙二1章9節(口語訳)に書いてある通り「永遠の滅びに至る刑罰」を意味しているとされている。
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