電気発火型
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/06 14:41 UTC 版)
電流を印加することにより発火する雷管は、爆薬の点火(爆破)用としては主流方式である。 銃器においては、通常の撃発式ではトリガーを引いて撃鉄・撃針が雷管に打ち当たるまで、微小だが遅延が存在し、これが狙撃における命中精度のマイナス要因となりうる。機械駆動部を持たない電気発火式は遅延がほぼゼロで、これを利してレミントンM700EtronXなど電気発火式のライフルが試みられた(ただしEtronXは商業的に失敗に終わった)。電気発火式では銃に別途電源が必要になる煩雑さもあり、軍用、狩猟用、ホームガード用などいずれの分野においてもまったく普及していない。 一方、航空機関砲においては、第二次世界大戦時のドイツがMG 131以後、電気式のプロペラ同調装置(英語版)と連動させた電気発火を採用したのから始まる。これは当時主流であったエンジン回転と直接リンクする機械式同調装置と比べて高精度で、他国では自機を爆破してしまう恐れがあった榴弾をドイツの航空機関砲がいち早く採用できた一因ともなった。戦後は、空中戦での限られた射撃機会にできるだけ多くの弾を投射するためにM61 バルカンのような毎分数千発に及ぶ高発射速度が志向されたことで、高速精密な発火タイミング制御を容易に行える電気発火式が主流となった。 電気発火は単発式なら不具合を起こしやすい機械的可動部を持たない構造にでき、この形式は軍用車両の発煙弾発射機で一般的である。類似の構造として、メタルストーム社は銃身内部に複数の弾薬を配列し、順繰りに電気発火させることで、装填排莢の限界に束縛されない超高速連射が可能な火器を、拳銃弾から散弾銃弾薬、40mmグレネード等、各種の電気発火式弾薬とともに開発試作している。
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