阪神JFを制し暫定2歳牝馬チャンピオンとなる
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 22:42 UTC 版)
「ダノンファンタジー」の記事における「阪神JFを制し暫定2歳牝馬チャンピオンとなる」の解説
「実質的な2歳女王決定戦」である12月9日の阪神ジュベナイルフィリーズ(G1・芝1600メートル・1着賞金6500万円)は、グランアレグリアを欠くものの、有力馬として、2016年の優勝馬で後にオークスを制したソウルスターリングの半妹シェーングランツ、1999年の桜花賞・エリザベス女王杯2着馬フサイチエアデールの娘ビーチサンバ、デビューから2連勝中のクロノジェネシスらが名乗りをあげた。ダノンファンタジー(1番人気)の主戦騎手の川田は、阪神ジュベナイルフィリーズ当日は香港に遠征中のため、代わりにクリスチャン・デムーロ騎手を鞍上に迎えることになった。人気はダノンファンタジーが単勝2.6倍の本命、対抗馬クロノジェネシスも3.6倍と差がなく、次いでシェーングランツ6.2倍、ビーチサンバ8.2倍と上位馬の人気が分散して拮抗した。 スタートでクロノジェネシスが後手を踏み1馬身出遅れた。ダノンファンタジーは無難に発馬したのに、後方へ下げ、後ろから3、4番手の位置に控えた。道中、ダノンファンタジーが先へ行きたがっていたのをデムーロ騎手はなんとか宥めて待機した。最終コーナーをまわる時点では、デムーロ騎手はまだスパートするのを待とうと考えていた。しかし外側からクロノジェネシスがあがってきてダノンファンタジーの進路をブロックしようとしたので、これを防ぐため咄嗟にスパートの指示を出した。ダノンファンタジーはこの合図に即座に呼応して加速すると、クロノジェネシスに進路を譲らずに進出した。そこから2頭が馬体を併せて「申し合わせたような一騎打ち」の追い比べになり、一度は両馬の鼻面がまったく並ぶ接戦となった。残り200メートルほどのあたりでダノンファンタジーが僅かに前に出ると、最後は半馬身差をつけて優勝した。ダノンファンタジーには「111」のレーティングが与えられた。 中内田調教師にとっては阪神ジュベナイルフィリーズ初優勝。乗り替わりで阪神ジュベナイルフィリーズ初優勝となったデムーロ騎手は「来年の桜花賞もチャンスが有る」と評した。サラブレッド血統センターの藤井正広は、ディープインパクトの産駒にしては珍しく、長い叩きあいで根負けしない「接近戦志向」があると評した(『優駿』)。また、「ディープインパクト牝馬としては異質の粘り強い末脚」とも評している(『競馬ブック』)。育成牧場のノーザンファーム早来にとっては、これが育成馬としては初めてのG1優勝馬となった。 翌週の朝日杯フューチュリティステークスでは単勝1.5倍の本命に支持されたグランアレグリアが3着に敗退した(レーティングは109)。その結果、年末のJRA賞投票では、ダノンファンタジーが全276票中275票を集め、最優秀2歳牝馬に選出された。「全日本合同フリーハンデ」では「110」で2歳牝馬の首位(グランアレグリアは「109+」で2位)、JPNサラブレッドランキングでは「111」で2歳牝馬の首位(グランアレグリアは「109」で3位)となった。
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