阪急最後の小型車
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「阪急550形電車」の記事における「阪急最後の小型車」の解説
1963年12月のダイヤ改定では、2021系の増備によって宝塚線に残っていた小型車のうち本形式10両と500形4両編成1本を除いて全車神戸線に転出、本形式のうち6両編成1本がラッシュ時の特発予備として残されたほかは宝塚線での小型車運用が消滅した。本形式はごくまれに6両編成が宝塚線の朝ラッシュ時に運用される以外は箕面・伊丹・甲陽の各支線運用が主となり、箕面線では4両編成で、伊丹・甲陽線では2両編成で運用された。 本形式は他の小型車同様、1960年代後半に予定された神宝線架線電圧の直流1,500Vへの昇圧に際しては昇圧対応工事の対象から外され、昇圧即応車の3000・3100系に置き換えられることとなったが、他の置き換え対象の各形式とは異なり、宝塚線の昇圧まで使用されることとなった。 神戸線昇圧を目前に控えた1966年12月には神戸線に転出していた車両が610系及び500形で唯一残っていた530-300+518-313-519と入れ替わる形で全車宝塚線に復帰、5両編成2本と4両編成1本を組成して箕面線で運用することとなった。それに対応して、編成の中間に組み込まれるようになった551・552・563・564の運転台機器を撤去して中間車化改造を実施、558と560はペアを組んでいた559と561を切り離して増結用の単車とし、広幅貫通路にはアダプターを取り付けて運転台部分の狭幅貫通路に対応した。この時期の編成については下表のとおり。 550形編成表 (1967) ← 石橋 箕面 → Mc550Mc550To550Mo550Tc550560 550 551 552 553 Mc550Mc550Tc550Mc550Tc550558 554 555 556 557 Mc550To550Mo550Tc550 562 563 564 565 この時編成から外された559と561は1967年7月に廃車された。残った14両は阪急最後の小型車として箕面線で運用され、その直後の同年4月に562~565の4両編成1本が廃車、6月には558+554+555+556+557の5両編成1本が廃車された。残った560+550+551+552+553の5両編成1本も、昇圧直前の8月16日にささやかな装飾を施してさよなら運転を実施した後に運用を離脱、昇圧前日の8月23日付で廃車となった。大阪万博を1年後に控えた1969年には万博のシンボルマークをあしらったPRステッカーを貼付したが、万博の開幕まで走ることなく全廃となった。 なお、本形式は戦後すぐの混乱期の製造で車体の疲弊が著しく、内装が木製で他の車両に比べるとアコモデーションが貧弱であったことなどから他社への譲渡対象からも外されたため、550・553・559の3両以外は全車解体された。
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