鉄鋼業界によるOFF-JTの実例
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「教育訓練」の記事における「鉄鋼業界によるOFF-JTの実例」の解説
1962年、鉄鋼業界(一般社団法人日本鉄鋼連盟)は、産業技術短期大学(兵庫県尼崎市・開学時は関西鉄鋼短期大学)を開学した。 日本の鉄鋼業界には、「鉄鋼業自らが大学を設立して業界の技術者を養成するとともに、一般社会の優秀な青年の教育にも貢献していくことで、社会とともに鉄鋼業の繁栄を目指す」という高い志と壮大な理念がある。この理念は、例えば「事業は人なり」、「経営においては、まず何よりも人を育てていかなければならない。単に仕事ができ、技術が優れている人ではだめで、『人間として社会人として立派な人』を育てなければ企業として発展しない」という考え方に通じている。 産業技術短期大学は、鉄鋼業が一丸となって開設した「世界でも類例を見ない特色ある大学」であり、2年間で4年制大学レベルの技術者教育を行うことを目標に、4年制大学水準のカリキュラムが設定された。また、そのモデルとなるような施設設備と人材が用意された。 日本鉄鋼連盟は、産業技術短期大学で日本製鉄・JFEスチール・神戸製鋼所・日新製鋼・日立金属・日本製鋼所・愛知製鋼・東洋鋼鈑・トピー工業・中山製鋼所・三菱製鋼・新日本電工・中部鋼鈑などをはじめとする鉄鋼各社の若手・中堅層の従業員を再教育して、将来を担う優秀な技術者を育成してきた。具体的には、「製造現場における知識創造と人材の多機能育成政策・綿密な能力開発策のひとつとして、企業内選抜を経て中堅技術者への昇進に結びつく産業技術短期大学への派遣を行う政策の実行」であり、このような人材育成形態(教育訓練形態)を「オフ・ザ・ジョブ・トレーニング・OFF-JT」という。 鉄鋼業界各社から企業派遣学生として2年間産業技術短期大学で学んだ者は、現在までの合計で6,000名を越える。 人材の確保・育成は鉄鋼業界発展のための大きな課題であり、産業技術短期大学を活用するなど、今後も積極的に人材獲得・育成に取り組むものと見られる。
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