酸とアルカリ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/22 03:51 UTC 版)
酸-アルカリ反応は、酸-塩基反応の特別な場合と考えられる中和反応である。ここで、用いられた塩基はアルカリ(塩基の中でも特に水に溶け易いものをアルカリと呼ぶ)でもある。酸がアルカリと反応すると、金属塩と水が生成する。 一般的に、酸-アルカリ反応は、反応に関与しないイオンを省略して次のように単純化される。 OH − ( aq ) + H + ( aq ) ⟶ H 2 O {\displaystyle {\ce {OH^{-}(aq)\ + H^{+}(aq) -> H2O}}} 酸は、一般的に水素イオン (H+) を含むか、溶液中で生じる物質である。塩酸 (HCl) や硫酸 (H2SO4) 等がよく知られている。水中では、これらは次のようにイオンに解離する。 HCl ⟶ H + ( aq ) + Cl − ( aq ) {\displaystyle {\ce {HCl -> H^{+}(aq)\ + Cl^{-}(aq)}}} H 2 SO 4 ⟶ H + ( aq ) + HSO 4 − ( aq ) {\displaystyle {\ce {H2SO4 -> H^{+}(aq)\ + HSO4^{-}(aq)}}} アルカリは、周期表の1族か2族の金属(アルカリ金属かアルカリ土類金属)を含む塩基である。アルカリは、「水溶性の塩基」として定義される。一般的に、塩基は、水酸化物イオン (OH-) を含むか、溶液中で生じる物質である。水酸化ナトリウム (NaOH) や水酸化カリウム (KOH)、水酸化マグネシウム (Mg(OH)2)、水酸化カルシウム (Ca(OH)2) 等がよく知られている。1族の金属を含むアルカリは非常に水に溶けやすいが、2族の金属を含むアルカリはあまり溶けない。アルカリ土類金属の水酸化物は不溶性であるとする文献もあるほどである。 水中で水酸化物イオンを生成するために、アルカリは次のようにイオンに解離する。 NaOH ⟶ Na + ( aq ) + OH − ( aq ) {\displaystyle {\ce {NaOH -> Na^{+}(aq)\ + OH^{-}(aq)}}} しかし、アルカリは、アルカリ金属やアンモニウムイオン ( NH 4 + ) {\displaystyle {\ce {(NH4^{+})}}} 、アミン(NHxラジカル)等の陽イオンに炭酸塩 ( CO 3 2 − ) {\displaystyle {\ce {(CO3^{2-})}}} が結合した物質を含むより広い定義が用いられることもある。このような定義の場合、 Li 2 CO 3 {\displaystyle {\ce {Li2CO3}}} 、 Na 2 CO 3 {\displaystyle {\ce {Na2CO3}}} 、 ( NH 4 ) 2 CO 3 {\displaystyle {\ce {(NH4)2CO3}}} 等もアルカリである。
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