酒饅頭
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/14 00:08 UTC 版)

酒饅頭(さけまんじゅう、さかまんじゅう)は、酒粕などを用いて生地を発酵させて作る饅頭であり、和菓子の一種である。
日本各地で食べられており、特に九州や東北などで作られている。
概要
酒饅頭とは、小麦粉などの生地に酒種(甘酒に似た発酵液)や酒粕などの酵母液を加え、発酵させて蒸し上げることで作る饅頭である。
生地には砂糖・小麦粉・米麹・酒種や酒粕が使われる。自然発酵により生地が膨らみ、しっとりもちもちとした食感と、酒の香りが引き立つようになるが、これは麹が発酵した香りであり、アルコールは含まれていない[1]。
全国で作られ食べられているが、主に九州の大分県、福岡県、熊本県や東北地方などでの製造が盛んである。地域によって細かなバリエーションがあり、九州南部や沖縄では、黒砂糖が入った生地を使うことなどがあったり、餡は一般的にこし餡だが、栗餡・白餡・味噌などといった餡を使う地域などもある[2]。
あんパンのアイデアの基になった菓子としても有名である[3]。
歴史
起源は、中国の三国時代にまで遡れ、諸葛孔明が、南蛮征伐を行う際に暴れる河を鎮めるため、人間の頭に代えて小麦の皮で肉を包み、お供えしたものが酒饅頭だったといわれている[4]。
日本に伝わったのは鎌倉・室町時代頃とされており、留学僧などによって日本各地に伝えられたとされているが、地域によって様々な数多くの諸説があり、定説は定まっていない[1][4]。
その後は庶民の手頃な菓子として重宝され、5月の端午の節句やお盆、お祭りの他農作業の合間などに食べられており、特に冬に蒸し上がったまんじゅうを食べると体が温まるので、好んで食べられた[2]。
現在も日本各地のスーパーマーケットなどで見られ、オーソドックスな饅頭として盛んに食べられている[2]。
季語
酒饅頭は、俳句や歳時記において冬の季語(三冬:11月~2月)とされている[5]。
「蒸し饅頭」の子季語として位置づけられ、その中で特に酒粕や酒種を使用したものが「酒饅頭」として分類されている[5]。
酒饅頭を使用した句
([6])
脚注
- ^ a b “酒饅頭とは?発祥から風味の特徴までを徹底解説”. デリッシュキッチン. 2025年6月12日閲覧。
- ^ a b c “酒まんじゅう 大分県 | うちの郷土料理:農林水産省”. www.maff.go.jp. 2025年6月12日閲覧。
- ^ “あんパン、きっかけは酒饅頭 今はスポーツ選手の補食に”. 日本経済新聞 (2024年10月21日). 2025年6月12日閲覧。
- ^ a b 『まんじゅう屋繁盛記/川島 英子|人文・社会科学書 - 岩波書店』 。
- ^ a b “日外アソシエーツ株式会社”. www.nichigai.co.jp. 2025年6月12日閲覧。
- ^ 575fudemakase. “饅頭 の俳句”. 575筆まか勢. 2025年6月12日閲覧。
「酒饅頭」の例文・使い方・用例・文例
- 酒饅頭という食品
酒饅頭と同じ種類の言葉
固有名詞の分類
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