部門審査と基準
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/12 03:07 UTC 版)
「ピューリッツァー賞」の記事における「部門審査と基準」の解説
必要とされるのは、「卓越した(distinguished)」ものであること。ピューリッツァーの残した言葉は「ザ・ベスト」であったが、絶対的な基準を設定するのは不可能だという議論が起こり、妥協して卓越したという表現に落ち着いた。ピューリッツァー賞は「アメリカ」に関わるものが対象となり、文学と戯曲もアメリカの生活を描写したもののみを対象とする。もちろん、その作者もアメリカ人でなければならない。ただし、ジャーナリズム部門はあくまでも「アメリカの新聞」にのることだけが条件であり、そのため日本人も写真部門では海外の新聞社に取り上げられ、実際に受賞している。 ジャーナリズム部門 アメリカで発行された新聞に掲載されることが第一の条件となる。受賞対象年度の翌年2月1日をその締め切りとし、4月半ばに受賞者が公表される。応募の際には、審査手数料75ドルが必要。審査はまず、ピュリッツァー賞理事会事務局によって任命された審査員が行う。各部門につき3人が任命され、その審査員の地位は、権威ある記者、デスク、編集局長らがほとんどとなり、事前に公表される。任期は2年を超えることが許されず、毎年半数が代わっていく。毎年のジャーナリズム部門の応募総数は平均で約1,800件であるが、以前は1日の審査ですませていた。しかし「ジミーの世界」虚報事件以後は二日に渡ってコロンビア大学ジャーナリズム学部にこもって入念に審議することになった。各部門3件まで絞った後は、その結果を順位をつけずに本審査となるピュリッツァー賞理事会へ送り、そこで受賞者が決定する。 文学部門 2日での審査は不可能な文学が対象のため、応募期間はジャーナリズム部門とやや異なる。応募は二期に分かれ、1月1日から6月30日までに出版されたものは7月1日までに、7月1日から12月31日までに出版されたものは11月1日まで審査事務局に4部提出しなければならない。この場合、11月2日以降に出版するものは応募が不可能に見えるが、11月2日以降のものに関してはゲラ刷りでの提出が可となっている。他は75ドルの審査料も含めてジャーナリズムとあまり大差はない。各部門3人の審査員は、大学教授、作家、編集者、評論家によって構成されている。こちらは、ジャーナリズム部門とは異なり、審査員は受賞まで明らかにすることはできない。出版物ではない「戯曲」に関しては脚本6部の提出と、鑑賞のために必要となるチケットの提供が必要となる。これは人気作であっても、予定通り鑑賞するための処置だった。これらの審査が終わると、3作品を選定してピュリッツァー賞理事会に送り、以後はジャーナリズムと同じ手続きで審査される。 音楽部門 アメリカで初演されたアメリカ人の作品というのが不可欠な条件で、選定の段取りとしては戯曲に準ずる。審査員は音楽大学の教授、作曲家、音楽評論家らが任命され、3作品をピュリッツァー賞理事会に送ると、以後はジャーナリズム及び文学部門と同じ手続きで審査される。
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