過渡的な網構成とその問題点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/26 15:34 UTC 版)
「IPセントレックス」の記事における「過渡的な網構成とその問題点」の解説
既存の電話網を段階的に置き換えるため、各種の過渡的な網構成がとられる。そのため、各種不具合が発生する。また、併用期間中に既存のシステムと新システムを同時に運用・保守を行うため、操作の不統一・コストの増大を招くこともある。 特にトラブルが多いのがゲートウェイである。 ゲートウェイと網制御装置のIPアドレスの保持時間の差による通信不能。 IP網間をアナログ電話網で中継した場合のエコーキャンセラの干渉による極端な音質低下。 網構成をなるべく単純にし、ゲートウェイの数を少なくすると、不具合が少なくなるとされている。 従来の汎用ルーターや、無線LAN(IEEE 802.11シリーズ)などのネットワーク機器をVoIPの足回りに利用する場合、QoS関連の設定・調整が重要になる。ルーターのパラメタ調整をしなかったり、無線LANでデータ通信を同周波数帯の規格上で併用したりなど、何も考えずに使うと、環境によっては音声品質不良などの不具合が多発する場合がある。無線LANのアクセスポイント (無線LAN)の設置台数や機器・端末の仕様を含め、VoIP用にチューニングしたものが必要になる場合がある。 また、パソコンのウイルス感染などによるトラフィックの増大などもVoIPの品質に悪影響を及ぼす事がある。特にコールセンターで使用されるソフトホンなどは影響大である。 また、無線LAN(IEEE 802.11シリーズ)自体は、無線通信中の移動に対して通信品質の劣化が大きいため、携帯電話やPHSのような感覚で移動しながら、あるいは端末を少しでも動かしながら通話すると、やはり音声品質が不良となる事が多い。アクセスポイント・端末ともに、移動時の通話品質を確保した物の技術開発・導入が必要となろう。なお、無線LAN上のVoIPをVoWLAN(Voice over Wireless LAN)と言う。
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