農業の持続可能性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/13 01:15 UTC 版)
農業には単に耕作だけでなく、広い土地を耕作に適した農地にすること(開墾)や水路を作るなどの灌漑といった様々な専門的技法が含まれる。農業の基本は、依然として農地での農作物の栽培と牧草地での牧畜である。 トマス・ロバート・マルサスは、地球は人口増加を支えきれないと予言したが、緑の革命などのテクノロジーが食糧需要増に応えることを可能にした。 20世紀末以降、既存の農業に対する懸念から、持続可能な農業への関心が高まっている。品種改良・農薬・化学肥料などの技術革新によって収穫量は急激に増加したものの、環境への悪影響(環境汚染)や 人体への悪影響 が起きている。畜産においても品種改良や「集約型の」養豚・養鶏によって食肉の生産高が劇的に増加したが、動物虐待の問題、抗生物質や成長ホルモンなどの化学物質を投与することによる人体への悪影響が懸念されている。 バイオ医薬品、(欧米でも)薬剤(生薬)、バイオプラスチック、バイオ燃料、などの原料に使われることも多くなっている。ただしそもそも世界では、食糧が不足していて、飢餓で命を落としている人々・地域も多数ある現状である。植物をわざわざ燃料に変換するため燃やしてしまうと、さらに食糧の総量が不足したり、基礎的な農作物の値をつり上げてしまう結果となる。世界人口で多くの割合を占める、低収入で食べ物が十分に入手できてはいない人々の生命を奪う結果をまねくことが懸念されている。
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