農作物に対する害
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/30 07:26 UTC 版)
農業害虫ともいわれ、きわめてたくさんの例がある。収穫後、保存中の農作物を加害するものは、貯穀害虫という。農業においては、害虫への対応いわゆる防除は、ヒトの農作開始から最も重要な課題の一つでありつづけている。古くは虫送りなど、害虫を追い出す行事があり、最近では農薬を主体とする防除法が発達している。農薬には副作用や環境への影響など、様々な問題もあり、現在では出来るだけ農薬を使わない工夫も行われる。天敵利用など、自然の作用を利用する防除法なども施行されている。 農業害虫 バッタ:大量に発生すると、移住性を持つようになる種。飛蝗による蝗害は、アフリカや南アジアで時に甚大な害を与える。 ウンカ:特に稲に対する被害が大きい。 ミバエ:熱帯地方では果樹に大きな被害を与える。ウリミバエは沖縄諸島にいたが、不妊虫放飼という方法で根絶された。 アオムシ:植物の葉を食べ尽くす。葉菜類では、致命的なダメージを負う。モンシロチョウの幼虫が有名。 メイガ:様々な植物を食べるものがいる。稲作では、ニカメイガとサンカメイガは、かつて最も重要な害虫であった。 カメムシ:植物の汁を吸う。様々な農産物に様々なものがつく。近年、日本ではツヤアオカメやチャバネアオカメが大発生する年があり、問題になっている。 アブラムシ・カイガラムシ:植物の汁を吸う。いずれも繁殖力が強く、植物上にコロニーを作り、大きな被害を与える。 アザミウマ:植物の葉や果実の表面を加害する。薬剤抵抗性を持った種類が増加して問題となっている。 ハダニ:植物の葉や果実表皮の汁を吸う。ミカンハダニなどでは、薬剤抵抗性が問題になっている。 フシダニ:植物の新葉や果実に生息する。被害の状況からサビダニと呼ばれるものもいる。 ウリハムシ:コガネムシと同じ甲虫類の仲間で、名前の示すとおりキュウリ、メロン、スイカなどのウリ科植物を食い荒らす害虫。 ナメクジ:様々な植物の葉や果実を食い荒らす。カタツムリも同様。 スクミリンゴガイ:田植えしたイネの葉を食い荒らす。 アメリカザリガニ:水田の畦に穴を開け、イネの根を食い荒らす。 貯穀害虫 コクゾウムシ シバンムシ キクイムシ コクヌスト カツオブシムシ 等が該当する。
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