農作物への害
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/12/21 22:42 UTC 版)
農作物への害が知られるようになったのは近年のことである。被害を受ける作物としてはウリ科のもの、キュウリ、メロン、カボチャ、スイカなどで、他にナスが加害されることもある。被害を受けるのは作物が苗の期間で、新芽や若葉から吸汁される。被害部位では多数の小さな穴や白黄色の小さな斑点が生じ、葉や花芽が欠損する。発生源は植物そのものではなく、根元の土壌に切りワラをすき込んだり、油かすや敷き藁をした場合にそれらでダニが発生し、それが植物体に移動して被害を与える。これらの有機物が分解する過程で発生が多く、完全に分解するとその密度は低下する。 なお、北海道では同属で主として作物に発生するものにオンシツケナガコナダニ T. neiswanderi やホウレンソウケナガコナダニ T. similis 、オオケナガコナダニ T. perniciosus が知られている。これらは本種と酷似しており、固定標本で精検しなければ区別は難しい。同様に北海道で作物を害するものに、近縁の別属のものであるニセケナガコナダニ Mycetoglyphus fungiverus がある。 また、シイタケ栽培に被害を与える例も知られる。おが屑米ぬか培地を用いた培養の際、その初期に本種が発生するのだが、その際に本種がシイタケの生長の害となる菌(トリコデルマ属 Trichoderma spp.、ヒポクレア属 Hypocrea spp.)を持ち込み、そのためにキノコの菌糸が成長しなくなる。
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