転生と生まれ変わり
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/27 05:44 UTC 版)
「業 (ジャイナ教)」の記事における「転生と生まれ変わり」の解説
カルマはジャイナ教の中心的・基礎的な部分となっており、ジャイナ教内の他の哲学的教説、中でも、輪廻、転生、解脱、非暴力(アヒンサー)、無所有などと複雑に関連しあっている。行動には必ず結果が伴うとみなされる。あるものは即座に、あるものは時間がたってから、来世への転生後にすら影響を与えるというのである。このように、カルマの教義は単に一つの生涯の中だけの関係に留まるものではなく、来世と過去世の両方の生涯にも関わるものである。『ウッタラーディヤヤナ・スートラ』(3.3–4)にはこう記されている: 「『ジーヴァ』つまり霊魂はデーヴァローカに生まれることもあればナラカに生まれることもある。アスラの肉体を纏うこともある。こういったことが起こるのは全てカルマで説明される。この『ジーヴァ』はアリのような虫、昆虫として生まれることもある。」 同経典にはさらにこうある(32.7): 「カルマが死と生の根源である。カルマに縛られた霊魂は存在のサイクルをぐるぐると廻り続ける。」 この生涯における行動と感情はカルマの性質に基づいて来世への転生に影響を与える。例えば、善良で高潔な生活は生活の善良で高潔な主題を経験したいという隠れた欲望を示す。そのため、そのような人は彼の来世の誕生によって彼が容易に高潔さとよい雰囲気を経験し、示すことを保証するようなカルマを引き付けているのである。この場合、彼は天国か繁栄した高潔な人間の家庭に生まれることになる。一方、不道徳的な行いにふけったり、冷酷な性格を持っていたりする人間は生活の冷酷な主題を経験したいという隠れた欲望を示している。当然の結果として、彼は、自分が地獄や劣った種類の生活に転生することを保証するような、自分の霊魂に生活の冷酷な主題を経験させるカルマを引き付けているのである。 ジャイナ教では天罰、審判、報奨などといったものに巻き込まれることはなく、生涯の中でとった選択から機械的に知ってか知らずか何らかの結果が起こる。そのため、霊魂が現世で経験する苦痛も快楽も過去世でとった選択の結果として起こる。こういった教義をとっているため、ジャイナ教では純粋な思考と道徳的な振る舞いがこの上なく重要であるとされる。
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