車体塗装の復元
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 07:10 UTC 版)
「名鉄3400系電車」の記事における「車体塗装の復元」の解説
車体塗装復元後の3401編成(2代)。 動態保存開始当時は長期間の運用は想定されておらず、他のAL車各形式の全廃と同時に廃車の予定であったとされる。しかし、1992年(平成5年)度に長年運用された鉄道車両を対象とした顕賞である「エバーグリーン賞」を鉄道友の会より授与されたことを契機として、車体塗装を落成当初の塗り分けに復元するなど、3401編成を本格的な動態保存車両として整備する方針が決定した。 車体塗装の復元に際しては、落成当初の下半分を緑色・上半分を淡緑色とした2色塗り当時の外観を撮影したカラー写真が存在せず、車体塗装の復元をエバーグリーン賞授賞式までに実施するという時間的制約から当時の絵本などの資料を探す余裕もなかった。そのため、当時を知る関係者からの聞き取り調査や本系列の新製当時に記録された色帳を参考として色調を違えた3種類のサンプルを作成し、沿線在住の名鉄愛好家を交えた検討会議が開かれた。その結果、新製当時に記録された色帳を参考とした案が最も正確であると結論付けられたが、下部スカートの茶色系統の塗装については、塗装復元が立案された1990年代当時の感覚では違和感があるとされ、屋根部より濃い灰色に変更することとした。車体塗装の復元と同時に、座席モケット色を従前の赤色系統のものから落成当初と同じく青色系統のものに交換し、落成当時のものがそのまま用いられていた真鍮製の荷棚については磨き出し加工による再整備が施された。 車体塗装の復元および内装改修が実施された3401編成は、1993年(平成5年)4月3日のエバーグリーン賞授賞式に際して東岡崎 - 国府間にて運行された貸切列車が復元後の初運用となり、その後は従来通り犬山地区の各支線区において運用された。
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