車上切替方式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/02 02:20 UTC 版)
夜間走行中の車内(左)デッドセクション通過中は非常灯のみ点灯(右) 電車・電気機関車がセクション通過直前でマスコンをノッチオフ(ノッチ戻し)することで主回路を開放し惰性で走行して、直後に運転士がスイッチまたはレバーにより手動で電気方式を切替えてからデッドセクションを通過する。その際には、交流遮断器により主回路を一旦切り離してから、交直切替器による切替を行い、切替先の電力を検知すると交流遮断器により再び主回路が閉じられる動作を自動的に行い、再び力行・制動が可能になる電源切替方式である。たとえば直流から交流に転換する場合は、交流遮断器の主回路開→交直切替器の回路切り替え(直流回路開、交流回路閉)→セクション通過→交流検知→順次自動的に交流遮断器の主回路閉となる。 「切替先の送電区間までに無給電区間を走りながら回路を切替てから、全パンタグラフが切替先の送電区間に進入後に再び通電」という誤解が広くなされているが、これは間違いである。 セクション通過時に設計年次が古い電車の場合では、一時的にヘッドライトは片側のみの点灯となり、室内の照明が消え空調が停止するとともに、蓄電池からの電源により非常灯のみが点灯する。これは回路を切り替える際に遮断器(ブレーカー)が作動し一時的に編成全体が停電状態となるためである。 一方で設計年次の新しい車両では、種別・行き先表示が消えるが、補助電源で車内灯が点灯する、あるいは照明を直流電源としているため消灯しないが、空調装置などは一旦停止するため再稼動する際の音でセクション通過を判断できる。 また地上側でも車両側の切替忘れ防止の観点から、標識設置・ブリンカーライトの点滅・車両に搭載されたATSやATCを使用して、運転士がスイッチまたはレバーを手動で電気方式を切替えず、すべての操作を自動で行う自動切替装置の導入などの対策を行っている。 なお、気動車もしくはディーゼル機関車・蒸気機関車牽引の列車では架線から電気の供給を一切受けないため前述の動作は必要ないほか、剛体架線採用区間のデッドセクションでは、FRPを用いず剛体を平行にすることで対応する。
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