Q&Aサービス
別名:Q&Aサイト,Q&Aコミュニティー,質問サイト
【英】Q&A website, Question-and-Answer website
Q&Aサービスとは、オンラインでユーザー同士が質問と回答あるいは意見を交わすことを趣旨とするサービスの総称である。
Q&Aサービスの多くは、質問者が電子掲示板でスレッドを設ける要領でトピックを立て、それに回答できるユーザーが書き込みを行う、といった形式を取っている。不特定多数のユーザーから回答を募ることで、幅広い分野や内容の疑問・質問に回答が期待でき、また多種多様な見解を参照することが期待できる。
国内の大手Q&Aサービスの例としては「OKWave」や「Yahoo!知恵袋」「人力検索はてな」などを挙げることができる。この3例はいずれも、質問できるジャンルを限定しない(総合的な)Q&Aサービスであるが、特定分野に特化した専門的なQ&Aサービスもある。
なお、Q&Aサービスのようにエンドユーザーがコンテンツの主体(発信源)となってサービス自体の価値の一部を担っているタイプのメディアやコンテンツは、CGMあるいはUGC(ユーザー作成コンテンツ)と呼ばれる。
ナレッジコミュニティ
(質問サイト から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/01 07:45 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動ナレッジコミュニティは直訳すれば知識共同体である。用語の持つ意味は幅広いが、日本ではインターネットのコミュニティ型のQ&Aサイトや、企業内の実践コミュニティ(コミュニティ・オブ・プラクティス)の別名として使われることが多い[1]。この他にオープンソースのコミュニティ[2]やウィキペディア[3]などもナレッジコミュニティの例として紹介される場合がある。また「知識コミュニティ」や「知識共有コミュニティ」[4]と訳されることもある。
歴史
1990年代後半のアメリカ合衆国では不況とリストラにより、社内コミュニティが崩壊し、ベテラン社員が持っていたノウハウなどの知識資産が失われつつあった。その為ナレッジマネジメントを行う企業が増え、野中郁次郎の論文に注目が集まった[5]。一方、日本でも経済発展や都市化により「地縁・血縁」的な村落共同体が崩壊し、「職縁」的な企業内共同体に移行したが、それもバブル崩壊やリストラにより崩壊しつつあった。新しい共同体として期待を集めたのが、インターネットのオンライン・コミュニティである[5]。インターネットには2ちゃんねるのような電子掲示板が現れて、多くの利用者を集めていた。またネット上で知識の共有や創作活動が行われ、オープンソースでApache HTTP Server[2]やLinuxのようなソフトウェアが生み出された。2ちゃんねるでもJaneが開発されたりした。
2000年頃はインターネット化が急速に進んでいた。例えば日本では1998年に32.6%だったパソコンの世帯普及率が2002年までに71.7%に倍増し、インターネットの世帯普及率は13.4%から54.5%に急上昇した[6]。企業にとってインターネット利用者の急増はチャンスでもあり危機でもあった。例えば顧客から大量のメールが届けば、対応するための人件費は膨大である[7]。また情報格差を利益の源泉としていたのに、インターネット化によって格差が縮小すれば、ビジネスモデルの変更が必要になる[7]。新しい利益の源泉はインターネット上の膨大なテキストデータや社員の暗黙知から生み出される「知恵」だと言われていた。企業はデータを検索して価値のある情報を自動的に探す仕組みを作ったり[8]、コミュニティ・オブ・プラクティスを作って、社内コミュニティの再建を図らなければならなかった。アメリカのIT企業は日本の経営ノウハウを研究してERPパッケージとしてソフトウェア化していたので[8]、日本企業もソフトを輸入して、ノウハウを逆輸入した。またQ&Aサイトが現れて、社外の顧客対応や社内のナレッジマネジメントに利用された[9]。
Q&Aサイトは質問によって暗黙知を引き出して文章化するので、日経テレコン21のようなデータベース型の情報共有・ナレッジマネジメントより効果が高いと思われていた[5]。またQ&Aサイトは市場原理によって質問と回答をマッチングして、知恵を取引するナレッジマーケットとしても期待されていた[10]。しかし2000年代後半のウェブ2.0時代には、群衆の知恵やConsumer Generated Mediaとしての側面に注目が集まった[11]。
脚注
- ^ 「知識コミュニティーで浮上せよ!」4章
- ^ a b 大平雅雄、柗本真佑、伊原彰紀、松本健一. “オープンメディアを活用した知識コミュニティのデザインに関する一考察”. 奈良先端科学技術大学院大学 情報科学研究科. 2013年2月9日閲覧。
- ^ 井上泰一. “Web2.0時代の企業経営 知識コミュニティを活用したオープンイノベーション”. 野村総合研究所. 2013年2月9日閲覧。
- ^ “知識共有コミュニティワークショップが開催されました”. Yahoo!JAPAN デベロッパーネットワーク (2008年12月11日). 2013年2月9日閲覧。
- ^ a b c 「成功する会社は「知恵市場」から生まれる」2章
- ^ “平成18年「通信利用動向調査」の結果”. 総務省. 2013- 2-9閲覧。
- ^ a b 「ネット革命の読み方」1章
- ^ a b 「ネット革命の読み方」3章
- ^ “お客様事例 - 導入企業名”. OKWave. 2013- 2-9閲覧。
- ^ 「成功する会社は「知恵市場」から生まれる」1章
- ^ 小林祐一郎 (2006年4月10日). “第9回:Web2.0を実感するために、ユーザーが経験するべき10のこと(後編)”. INTERNET Watch. 2013年2月9日閲覧。
参考文献
- 山崎秀夫 (2001). 成功する会社は「知恵市場」から生まれる. 徳間書店. ISBN 978-4198613129
- 山崎秀夫 (2003). 知識コミュニティーで浮上せよ!. インプレス. ISBN 978-4844317760
- 石井孝利 (2000). ネット革命の読み方. 東洋経済新報社. ISBN 978-4492521106
関連項目
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