豊橋線の概要
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/21 15:05 UTC 版)
豊橋線は、本格的な都市間高速電気鉄道を目指した東海道電気鉄道の計画を継承し、愛知県の県都である名古屋市と、同県東部の主要都市である豊橋市を直線主体の線形で結び、全体として鉄道省の東海道本線と完全に競合する経路が選択された。 神宮前から矢作川付近までは概ね東海道本線と並行するが、矢作川を渡った以東は岡崎の市街地へ到達し、ここから豊橋まで本宿・赤坂・国府と内陸寄りの集落を結ぶ経路を採る。このため若干経由地は異なるものの、矢作川を渡ったのちに緩勾配の地域を南下し、蒲郡から海岸沿いに豊橋に至る経路を選定した東海道本線と比較して、豊橋線はより忠実に旧東海道をトレースする経路を選定した。そのため、東海道本線のルートから外れ、複線化構想時より鉄道路線網の整備を切望した鳴海(鳴海宿)・知立(池鯉鮒宿)・赤坂(赤坂宿)など旧宿場町を出自とする各自治体を中心に、豊橋線の建設は大いに歓迎された。 各種設備については、400馬力級電動車による表定速度60 km/hでの高速運転を念頭に速達性を最重視した仕様とした。線形は愛電赤坂 - 平井信号所間約8 kmを一直線とするなど全体的に直線的な線形とし、勾配は知立以東では最大16.7 ‰に設定した。使用する軌条(レール)はドイツより輸入した75ポンドレール(37 kg軌条相当)を敷設、矢作橋 - 東岡崎間については将来的な標準軌(1,435 mm軌間)への改軌を念頭に軌道中心間隔を3.9 mと大きく取り、信号機として三位色灯式自動信号機を導入するなど、高速運転に適する、当時としては極めて高規格の路線として建設された。
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