警察官の自殺
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 05:28 UTC 版)
警察官の自殺も一般人より倍率が高く、中でも問題となっているのは貸与されている拳銃を使用した拳銃自殺で、常に拳銃を携行している地域課員(交番勤務員)や交通課員に多い。警察官の拳銃は本来、「犯人の逮捕若しくは逃走の防止、自己若しくは他人に対する防護又は公務執行に対する抵抗の抑止のため必要であると認める相当な理由のある場合においては、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度において武器を使用することができる」(警察官職務執行法第七条)と規程され、取扱いについても厳しく定められている。職務中とはいえ拳銃を自殺目的に使った場合銃刀法違反の被疑者として扱われ、殉職扱いにはならず二階級特進や賞恤金の対象にはならない。その他の方法としては縊死が多い。自殺の主な原因としては職場での上司、同僚からによるパワーハラスメントを苦にしたものが多く2010年以降多くの事例が報告、報道されている。警察官は階級社会であり自分より上位の者に逆えず、また誰にも相談できない環境が原因と考えられている。これは若手の警察官だけの問題ではなく経験豊富なベテランや管理職の立場にある警察官も例外ではない。実際にある県警では捜査2課に所属する50代の男性捜査員2名が相次いで自殺する事案が発生。調査の結果、警察庁から県警に出向し課長を務めていた40代の男性警視から日常的に過剰な叱責を受けていたことが判明し県警は課長を更迭した。また警察官の自殺と関連した問題で県警が積極的な調査を行わず、遺族が充分納得できるような結果ではなかったり、パワーハラスメントが判明した場合でも行為を行った者や加担した者に対し戒告や減給といった比較的軽い懲戒処分が科せられるに過ぎず、遺族と県警との間で訴訟に発展し解決に長期間を要することが起きている。
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