課程の構成
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/08/13 09:05 UTC 版)
ディーゼル・エレクトリック課程は4ヶ月にわたり、陸上のシミュレータと、ノルウェーおよびスコットランド沖での戦時同様の条件での洋上での作戦行動とが組み合わされている。最大でも課程参加者は6人であり、先生(Teacher)と呼ばれる指導官の監督下に置かれる。課程は4つの段階に分かれており、最初の段階ではデン・ヘルダーにあるオランダのワルラス級潜水艦シミュレータでの訓練である。第2段階はCOCKEX(かつてのCOQCの転訛と軍事演習の標準的な短縮形をつなげたもの)では、候補者を洋上に連れ出し、戦術的な安全性に関する訓練とともにシミュレータでまなんだ技量を実践させる。候補生たち第3段階でシミュレータに戻り、潜水艦指揮の戦術的な側面(交戦規則、回避手段、および迎撃手順を含む)と個人の管理スキル(ストレス・マネージメント、作業条件の維持、および医療スキル)について、その他の指揮に必要なスキルとともに教わる。最後に、候補生たちは「コックファイト」(Cockfight)のために海に戻る。コックファイトでは指導官たちが個々の潜水艦乗りが独立して潜水艦を指揮する能力を評価する。この間、候補生たちは互いにわずかな休息をとりつつ、いくつもの戦時同様の演習に対応する。2004年の課程からは、演習のタイプのひとつの例において、候補生たちは機雷敷設のため、水面と艦橋のクリアランスが6m未満で頭上をフェリーが行きかい、港内の海底と艦底との間はそれすら下回る間隔しかない港(海軍基地をシミュレートする)に、戦闘艦が潜水艦を討ち取ろうとアクティヴ・ソナーを使用するなか、指揮する潜水艦を接近させることが要求される。 この課程のニックネームである「ペリッシャー」は70%という低い合格率に由来する。この低い合格率は候補者が課程に失敗したという事実と、多くの場合、潜水艦勤務をもはや許されないといった点が結びついている。マーク・エルゼンゾーン中佐(Commander Marc Elsensohn)によれば、2004年のディーゼル・エレクトリック課程の指導官は、主たる失敗の理由は候補生たちが状況認識をすっかり失ってしまい、視野狭窄を示したり、単一のツールや作戦の側面に過度に依存したことであるとした。誤りを犯したとしても、誤りを犯したことが認識され、潜水艦が危険にさらされる前に修正される限り、候補生が自動的に落第するわけではない。もし候補生が課程に失敗すれば、潜水艦は浮上し、ヘリコプターまたはボートによって最初の機会に潜水艦から下ろされる。
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