迎撃手順
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/05 06:42 UTC 版)
「AL-1 (航空機)」の記事における「迎撃手順」の解説
空中からの迎撃は、いくつものセンサーとレーザーによる何段階ものステップを踏んで行なわれる。 ABLシステムは最初にミサイルを発見するのに6個の赤外線センサーを用いて、360度全周を捜索・監視する。敵ミサイルのロケット・エンジンが放つブーストの赤外線を発見後は、低出力な波長10.6μの炭酸ガス・レーザーである測距レーザー(Active Ranging System, ARS)で距離を測りながら赤外線センサーとともに目標ミサイルの3次元位置を特定する。これらの情報に基づき、波長1.03μでキロワット級のYAGレーザーである2基の追尾照射レーザー(Tracking Illuminator Laser, TILL)が目標を追跡する。1基目のTILLで目標ミサイルの先端部を追尾し続け、同時に2基目のTILLで目標ミサイルの中央燃料タンク付近を追尾する。 大気の乱流を波長1.06μのYAGレーザーである低出力のキロワット級のビーコン照射レーザー(Beacon Illuminator Laser, BILL)を使って計測する。大気の乱流は光線をねじ曲げるため、補正するためのABL補償光学システムを使う。 その後いよいよ、機首のターレットから主レーザーであるCOIL(下記参照)のレーザーが2基目のTILLの示す目標箇所に正確に3~5秒間連続的に照射される。計画通りであれば目標のミサイルの燃料タンクは加熱された事によって破壊され、漏洩した燃料が爆発的に燃焼し、目標ミサイルは発射地点付近の空中で破壊される。ABLは戦術弾道ミサイルを中間段階や落下段階で迎撃するようには設計されていない。そのため、ABLは発射地点から数百km以内にいなくてはならない。
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