設計の原則
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/01 01:43 UTC 版)
三葉配置は、複葉機(二葉機)といくつかの点で比較されることがある。 三葉配置は、同程度のスパンと面積を持つ複葉機よりも狭い翼弦長を持つ。この特徴はそれぞれの翼をよりスレンダーにする形で現れ、同時に高いアスペクト比を付与する。これらは翼をより効率的にして揚力を増大する。こうしたことは潜在的により速い上昇率と小さな旋回径を与え、両方とも戦闘機には重要である。ソッピース トライプレーンはこの成功例であり、同型のソッピース パップ複葉機と同じ翼幅を持っていた。 または、三葉機は複葉機に与えられた翼面積およびアスペクト比と比較して減少したスパンを持ち、これはよりコンパクトで軽量な構造へと至る。このような潜在性は戦闘機により良い格闘戦性能を付与し、また大型機に対しては、より高い搭載容量と、地上での取り回しの良さという実用性を与えた。伝説の第1次大戦のエース「レッドバロン」で有名なフォッカー Dr.I三葉機はこの二つの設計要求の間に釣り合いを取り、同型のフォッカー D.VI複葉機よりも適正化された短いスパンと適正化された高いアスペクト比を持っていた。 三度目の比較は同じ翼設計を持つ複葉機と三葉機の間でなされる。三葉機の第三の翼は増大した翼面積を提供し、これは非常に大きな揚力を与える。追加される重量は、全体的な構造で増した余裕で部分的に相殺され、より効果的な構造が許容される。カプロニ Ca.4シリーズはこの方法で若干の成功を収めた。 こうした利点は、どのような設計が行われるにせよ、多かれ少なかれ相殺される。それは追加重量と支柱構造の空気に対する抗力、および積み重ねられた翼というレイアウトに固有の、空気力学的な非効率性による。複葉機の設計が進歩し、三葉機の不利が利点を上回ったことは明確となった。 一般に、三葉のうち最も低い翼は、飛行機の胴体下面と同程度の高さに設けられ、中段の翼は胴体の上面と同じ位置につき、最上部の翼は胴体の上に支柱で支えられた。
※この「設計の原則」の解説は、「三葉機」の解説の一部です。
「設計の原則」を含む「三葉機」の記事については、「三葉機」の概要を参照ください。
- 設計の原則のページへのリンク