オブジェクト指向プログラミングの現状
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/07 01:59 UTC 版)
「銀の弾などない」の記事における「オブジェクト指向プログラミングの現状」の解説
オブジェクト指向プログラミングの手法は成長が遅かった。 この理由には次のようなものが考えられる。オブジェクト指向のプログラマは、C++で連結リストやセット (集合) のような比較的低水準な抽象化によるクラスを作る傾向があり、高水準な抽象化を行ってクラスを作ることは行ってこなかった。 (ジェームズ・コギンズの雑誌記事より) オブジェクト指向についてプログラマを教育するとき、オブジェクト指向を特定のツール/言語を使うことだと教えてしまうことが多かった。本来はオブジェクト指向は設計 (ソフトウェア設計) の一つの種類 (オブジェクト指向設計) だと教育し、設計の原則を与えるべきであった。プログラマは設計の原則を学ばずに単にオブジェクト指向言語を使うだけであったため、恩恵は少なかった。恩恵が少ないのでは普及しないのは当然である。 (デイビッド・パーナスからブルックスに宛てられた手紙の内容より) オブジェクト指向の技法は厳しい状況にある。プログラマにまったく新しい思考法 (オブジェクト指向の考え方) で考えるよう再教育しなければならないなど、事前に多額の投資が必要であり、さらに効果が目に見える形で現れるまで時間がかかる。 「オブジェクト指向テクニックは、最初や二度目のプロジェクト開発を速めるのではない。そのファミリーで五度目にあたるものなら、猛烈に速く進むことだろう」(ジェームズ・コギンズ) とはいえ、多くの組織でC++をCの代わりに採用する動きがあり、ゆっくりとではあるが着実に情況は前に向けて進んでいるようである。 再利用可能なプログラムコードの開発には、1回限りのプログラムコードの開発と比べて、2倍、3倍の労力がかかる。 再利用可能なプログラムコードの開発には、優れた設計と優秀な文書の両方が必要である (デイビッド・パーナス) 。 再利用可能なプログラムコードを利用するためには、そのプログラムコードについて学習する必要がある。 プログラムコードの再利用は、企業内では特に大規模な企業において精力的に行われている傾向がある (ケーパーズ・ジョーンズ) 。 市場では再利用可能なプログラムコードがいくつか流通している (ケーパーズ・ジョーンズ) 。
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