計算可能集合と計算不可能集合とは? わかりやすく解説

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計算可能集合と計算不可能集合

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/24 05:44 UTC 版)

再帰理論」の記事における「計算可能集合と計算不可能集合」の解説

再帰理論は、1930年代クルト・ゲーデルアロンゾ・チャーチアラン・チューリングスティーヴン・コール・クリーネエミール・ポストらの研究端を発している。 彼らの基本的な成果通じてチューリング計算可能性という概念樹立された。これは計算実効性という非形式的な概念正し形式化与えるものである。そこからスティーヴン・クリーネ1952年)は、「チャーチのテーゼ」(Kleene 1952:300)と「チューリングテーゼ」(p.376)という2つの用語を作った。現在では、これらはしばしチャーチ=チューリングのテーゼという一つ仮説看做されているが、これはアルゴリズム計算可能な関数如何なるものであろう計算可能関数だ、と述べるものである当初懐疑的だった[要出典]ゲーデルも、1946年には賛同示した。 「タルスキ彼の講義において、一般再帰性(またはチューリング計算可能性)が大変重要だ強調したが、これは正しいと思う。これが何故重要かと言えば、この考え方によって人が初めて、ある興味深い認識論的観念について、(特定の形式主義囚われない様な)絶対的な観念与えることに成功したから、という理由大だと私には思える」(Gödel 1946 in Davis 1965: 84実効的な計算というものの定義に伴い数学には実効的に決定できない問題があることを示す最初一連の証明得られた。チャーチ(1936a、1936b)とチューリング1936)はゲーデルの不完全性定理の証明1931)で用いられ技法触発されそれぞれ独立に、ダフィット・ヒルベルト1928年提示した Entscheidungsproblem(決定問題)(en)が実効的に決定できないこと示した。この結果は、任意の数学的命題が真か偽かを正しく判定するアルゴリズム存在しないことを明らかにした。 これらの初期の例続いて多く数学問題決定不能であることが示された。1947年、Markov とポストそれぞれ独立半群word problem実効的に決定できないことを示す論文発表したその結果に基づき1950年代、Pyotr Sergeyevich Novikov (en)と William Booneそれぞれ独立に群の word problem (en)が実効的に解けないことを示した。これは有限表現された群におけるある語(word)が与えられたとき、その語が指す元がその群の単位元かどうか実効的に決定する手続き存在しないということである。1970年ユーリ・マチャセビッチはマチャセビッチの定理(en)を証明し、その系としてヒルベルトの第10問題実効的な解法持たないことを示した。この問題整数上で定義されディオファントス方程式整数解を持つかどうか判定する手続き求めるものであった何らかの数学的行為実効的に実行できるかを問う研究は、ときに再帰数学呼ばれることがあるHandbook of Recursive Mathematics (Ershov他、1998)はこの分野の成果多数紹介している。

※この「計算可能集合と計算不可能集合」の解説は、「再帰理論」の解説の一部です。
「計算可能集合と計算不可能集合」を含む「再帰理論」の記事については、「再帰理論」の概要を参照ください。

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