言語学的理念
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/05/16 08:30 UTC 版)
「アルベール・セシュエ」の記事における「言語学的理念」の解説
セシュエは、ドイツ語で書いた博士論文以降初の著書となる『理論言語学の計画と方法』を1908年に公刊し、ソシュールに献呈した。セシュエは、当時の歴史言語学者によって喧伝されていた、言語学が実証主義的な「事実の科学」であるとする説に反対して、「法則の科学」としての言語学の構築計画を提起した。セシュエによれば、音韻法則を含む言語史の具体的な事実が体系的でないのに対して「法則の科学」は汎時的・普遍的なものであった。言語のすべてのレベルは「静的」な部分と「動的」すなわち「進化的」な部分に分けられる(静的音韻論、進化的形態論など)。「静的」な状態が主であり、変化または進化は静的な部分を考慮せずには理解することができない。 セシュエは言語変化の起源に関して、音韻論的で準「代数」的な概念と、文法以前の言語(たとえば幼児の言語)の考えを提起し、また言語の音素の心理学的研究を提唱した。 『理論言語学の計画と方法』は若いルイス・イェルムスレウに強い影響を与えた。 1926年に公刊した第二の著書『文の論理的構造に関する試論』では、統辞論とその論理的類型を考察した。1920年から1940年にかけての論文のなかで、セシュエはソシュールの概念を明確化し、「組織的なパロールの言語学」を提起した。
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