親子上場の目的
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/18 15:35 UTC 版)
「関西みらいフィナンシャルグループ」の記事における「親子上場の目的」の解説
2021年3月30日まで親子上場が行われていた。一般的に親子上場には「親会社からの独立性」や、「親会社と子会社の少数株主に対する利益相反」などの観点で企業統治上の問題があるとされる。また上場企業の側からも、「親子上場による利益相反などの弊害」が指摘されている 他、東京証券取引所も『親会社を有する会社の上場に対する当取引所の考え方について』において、上述した意見の他に、親会社にとって「自身の短期的な単体決算対策のための子会社上場や、上場している親会社が企業グループの中核事業を担う子会社を上場させて新規公開に伴う利得を二重に得ようとする。」などの目的を安易に達成しやすく問題があるほか、「本格的な連結経営が求められる昨今の経営環境においては、企業グループ内の会社が親会社以外の株主に対して責任を負うこととなる子会社上場は、一体的な連結経営を行ううえでは必ずしも望ましいこととはいえない。」とする見解を示した。更に同取引所は改めて2008年5月27日「(新規上場時から親会社を有する場合であっても、企業再編等を通じて上場後に親会社を有することになる場合であっても、)少数株主との利益相反のおそれなどの内在する弊害や問題点があること、昨今の経営環境においては上場会社には本格的な連結経営が求められていること」を考慮すれば、「投資者をはじめ多くの市場関係者にとって必ずしも望ましい資本政策とは言い切れない。」とのコメントを公表している。更に関西みらいフィナンシャルグループが行う銀行業を監督する立場にある金融庁が取りまとめ公表した『金融審議会 金融分科会 我が国金融・資本市場の国際化に関するスタディグループ報告 ~上場会社等のコーポレート・ガバナンスの強化に向けて~』でも、「親会社と上場子会社の少数株主の間には潜在的な利益相反関係の発生や、親会社による上場子会社の経営の支配等を通じて、上場子会社の株主保護が十分に図られないおそれがあり、必ずしも望ましい上場政策とは言えない。」とする意見を認めている。 そのような批判がある中で、親子上場を行うことについて、社長の菅哲哉は、将来の地銀再編をにらみ「志を同じくする方々が合流したいなら組みやすい形だ。将来の拡張性を担保」するためだとし、また、資本提携先として想定しているのは同じ関西の地銀であるとした。菅はまた、りそなホールディングスとの地銀連携の違いについて、「りそなは資本関係というよりサービスや機能の提供を想定しており、関西みらいは経営方針に賛同してもらえれば資本提携を「排除しない」。」としている。
※この「親子上場の目的」の解説は、「関西みらいフィナンシャルグループ」の解説の一部です。
「親子上場の目的」を含む「関西みらいフィナンシャルグループ」の記事については、「関西みらいフィナンシャルグループ」の概要を参照ください。
- 親子上場の目的のページへのリンク