製造システムの特徴
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/30 16:11 UTC 版)
工部七職という各分野の職人がそれぞれ独立した工房を構え、仏壇店は工程に沿って順次発注をかけることによって仏壇製造を進めていく。そのため、各部品は「ほぞ組み」という分解可能な構造になっている。以下、生産の順序と各職の役割を示す。 木地(木地師) - 欅、檜松、黒檀などの木材から仏壇に適したものを選んで本体を作る。設計図はなく、注文によって「杖」と呼ばれる定規を新しく作って製作する。 宮殿(宮殿師) - 1600種にも及ぶ小さな木片の部品を造り、屋根や柱を作る。 彫刻(彫刻師) - 仏壇の装飾部に花、羅漢、菩薩などのデザインを鑿や小刀などで手彫りする。 漆塗(漆塗師) - 下地、中塗、上塗の順で漆を塗り、更に研ぎ出し、磨く作業を繰り返す。木材の木目が見えるように塗る「木目出し塗り」は彦根仏壇の特徴である。 蒔絵(蒔絵師) - 漆などで下絵を描き、その上に金粉、銀粉、貝などを蒔いて研磨し、仕上げの線を加筆して仕上げる。豪華さや立体感を出す技法は「泥盛り」と呼ばれる。 金箔押(金箔押師) - 仏壇1本に対し、1000枚以上の金箔を1枚づつ貼り付ける。 錺金具(錺金具師) - 金、銀、銅などを使って彫金し、仏壇の装飾金具を作る。 組立(仏壇店) - 七職の職人が製作した部品を仏壇問屋が組み立て、仕上げを行って完成する。
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