藤岡弘の失踪と制作中断
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/24 00:28 UTC 版)
「仮面ライダー対じごく大使」の記事における「藤岡弘の失踪と制作中断」の解説
本作品の撮影中、本郷猛役の藤岡弘が失踪して制作中断に見舞われている。 藤岡は1972年5月、同年10月にNHKで放映予定の時代劇ドラマ『赤ひげ』のオーディションに合格していた。事後報告となったこの一件が『仮面ライダー』制作者である東映や毎日放送とトラブルとなり、一時期行方をくらませてしまった。 主演俳優の不在という事態にまずテレビ本編の制作現場が大混乱となり、第66話として「ショッカー墓場 よみがえる怪人たち」(7月1日放映)が制作された。その結果、本作品の目玉となるはずの新怪人カミキリキッドが、テレビに先行登場する事態となった。 また、本作品では大幹部・地獄大使をタイトルに据えてその対決を打ち出す一方、公開日以前にもう1人の大幹部・死神博士との決着をテレビ本編で付けるはずだった。それも藤岡の失踪によって大きく狂うこととなり、主役不在のまま決着話を制作させられないために死神博士との決着が繰り下げられ、制作話が前後することで本来は死神博士の正体として用意された怪人だったノコギリザメスが、第67話「ショッカー首領出現! ライダー危うし」(7月8日放映)に一般怪人ギリザメスとして登場。この混乱の中、本作の撮影は本郷がエミとトッコを救出するシーンを残して中断し、第68話「死神博士 恐怖の正体!」(7月15日放映)の撮影時に藤岡が復帰。公開前日の放映となった同話で死神博士はイカデビルを正体として仮面ライダー1号に倒され、新サイクロン号の登場も本作品の公開に間に合わせることに成功した。このため、第68話のイカデビルとの決戦は、件の撮り残しシーンとともに奥多摩の採石場で行われている。これにより、クールごとの出演契約となっていたライダーガールズが同話まで出演延長となった。また、中盤の山場である朝霧高原でのロケは梅雨時にずれ込み、湿気のためにピントが合わず、撮影に苦労したという。 当事者である藤岡は後年のインタビューで、この件については嫌な思い出であったため、記憶から消していたと述べている。
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