草津温泉の湯の花
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/21 10:07 UTC 版)
もう一つは、草津温泉の湯畑のように木製の樋に源泉を通して行う方法である。およそ2ヶ月ほど源泉を樋に流し、湯の花を析出させる。その後源泉を樋ごとに堰き止め、湯の花を採取する。それを乾燥室で乾燥させ、乾燥後、容器に詰め商品とする。 草津温泉の人工湯の花は、元来、硫黄鉱山原石粉砕湯花(天然)と西の河原源泉むしろ沈殿乾燥計り売り湯花(天然)が由来である。水道水の普及により、購入者から「強すぎる」という声が多く出て、塩素を除去・弱化させる炭酸カルシウムで天然原料の時代から希釈して、皮膚弱者を守ってきた経緯がある。 「草津温泉誌」では草津温泉湯畑の湯の花が「湯花稼」として紹介され、近隣硫黄鉱山(白根・万座・石津・小串・吾妻など)で採集された硫黄が「硫黄稼」として紹介されている。硫黄鉱山は昭和40年代後半には近隣5鉱山とも姿を消して、脱硫精製化学硫黄に成分が変更された。業社は群馬県庁に人工化された新製品のサンプルを持参し、相談をしたが「法的に販売を禁止するべきものではない」という県側の見解を当時得た。しかし許認可権に関わる見解ではなかったので、この記録は群馬県庁には残っていない。 2006年末に、草津温泉地区で天然の湯の花(湯畑で採集されたもの)として販売されていた湯の花が、実際には原油から製造された硫黄に炭酸カルシウムを混ぜたものであったことが判明し、公正取引委員会から排除命令を受けた。しかしその後も、人工の入浴剤がパッケージを変更して販売されているのではないかという指摘がある。なお、2017年3月現在、草津町が販売している湯の花は、上面に赤字で「草津温泉 湯の花」と印字され、発売元が「群馬県草津町」と表示されている円柱状のプラスチック容器に入ったもの(内容量:95g・小売価格:1,400円)である。これは年間約5,000個ほどしか販売されていない。
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