自然保護と観光開発
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/09 17:57 UTC 版)
「オカバンゴ・デルタ」の記事における「自然保護と観光開発」の解説
この地区にはバイェイ人やツワナ人などが住んでいるが、冬季の洪水により居住は難しく、農地開発などは進まなかった。そのことが、貴重な自然を残すことにつながった。ツワナ語で水や雨を意味する「プラ」という言葉がボツワナの通貨単位となっていることからもわかるように、ボツワナで最も貴重な資源は水である。その水が手付かずで大量に存在するこの地域から灌漑用の水を引く計画が立てられたが、1991年に自然保護の観点から計画は中止された。 ボツワナ政府はオカバンゴデルタの保護に熱心に取り組んでいる。それはボツワナがダイヤモンドの産地として経済力を蓄え、自然保護に取り組む余裕があることもあるが、オカバンゴデルタ自体がボツワナの貴重な観光資源として世界中から観光客を呼び込んでいることも理由にある。 ボツワナ政府はエコツーリズムを推進し、この地域の乱開発や大規模な観光開発は行わなかったが、生態系を乱さない範囲での観光開発はむしろ推奨した。そのため、オカバンゴデルタの玄関口であるマウンには小さなホテルやバンガローが建ち、欧米を中心に富裕層の観光客が多く訪れ、オカバンゴデルタの観光はダイヤモンドに次ぐボツワナ政府の収入源となっている。 一方で、上流にあるアンゴラとナミビアで平和が到来して経済開発が進むにつれて、デルタの水源であるオカヴァンゴ川の水を巡る問題が浮上してきた。上流での農地開発による水質汚染が懸念されている。また、ナミビア政府がカプリビ回廊のオカヴァンゴ川に建設を計画している水力発電所によってデルタに流れ込む堆積物がなくなり、デルタの環境が悪化することも懸念されている。 1996年、オカバンゴ・デルタはラムサール条約に登録された。
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