自然保護の取り組み
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/01 02:15 UTC 版)
「九州の尾瀬」ともいわれる樫原湿原だが人の手が入っていないというわけではない。昭和46年に開通した七山村道によって湿原が分断されたことや、野焼きやオオミズゴケの除去等の中断により、開放水面の減少や水量の減少、土砂等の堆積などで保全状況が悪化し、数種類の植物が確認できなくなる、既存植物の株数も減少するなどの問題が発生している。これに伴い平成14年から自然生態系の保全・再生にむけた調査が行われ、平成17年には佐賀県を主体とする「樫原湿原地区自然再生事業実施計画」が作成され、昭和中期頃の湿地植生を再生するための取り組みが行われている。 取り組みの一環である植生の除去では、ミズゴケなどの大繁茂した特定植物や枯れた植物体の堆積などによって陸化が進行している問題への対処として、浚渫や植生の抜き取りを実施したところ、開放水面が拡大し多様な植生が回復するといった成果が出ている。この他に湿地帯に侵入した灌木の除去や湿地を分断している村道の移設などが保護手法として実施、または議論されている。
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