自殺シーンの削除と社会的影響
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/11 04:08 UTC 版)
「13の理由 (テレビドラマ)」の記事における「自殺シーンの削除と社会的影響」の解説
アメリカ児童青年精神医学会(AACAP)は雑誌に、シーズン1の公開後の4月に10代の自殺が急増したとする調査を掲載した。また、配信直後から、自殺シーンに対する批判が相次いでいた。 シーズン1の最終話(13話)では、ハンナ・ベイカーが自殺するために両親が経営する店から刃物を盗むシーン、そして、お湯をはったバスタブの中で手首を刃物で切り自殺するシーンが描かれている。 Netflixと制作陣は当該のシーンを擁護している。プロデューサーのジョイ・ゴーマンは、「子供たちは知るべきだと思います。自分が体験していることの多くを、誰もが体験しているということを」とBuzzFeed Newsに対して語っている。また、脚本を担当したニック・シェフは、「Vanity Fair」に寄稿したコラムで、自殺シーンを描いたのは、自身がメンタルヘルスの問題を抱え、自殺未遂を経験しているからだとしている。 「実際の自殺がどのようなものかを見せる絶好の機会だと思いました。眠るように眠るという神話を打ち消し、視聴者に現実を直視して欲しいと思いました。燃え盛る建物から飛び降りたら、それ以上の地獄が待ち受けているということを」 2019年7月16日、NetflixはTwitter上で当該シーンを削除したことを発表した。過去の熱心な擁護から一転したものだった。Netflixの担当者はハフポストの取材に対し「若い人の難しい問題を扱った力強い作品と思っているが、その分様々な調査結果が出ていることは把握していた。多数の専門家らにアドバイスを受け、脚本・製作総指揮のブライアン・ヨーキーとも相談した結果、シーンを修正するのが正解と判断しました。」と語った。多くのメンタルヘルス専門家がNetflixの発表を歓迎する一方、配信開始から2年後の編集というNetflixの決断の遅さに対する批判もある。13の理由の視聴後に娘が自殺したジョイス・ディーソーンは、BuzzFeedの取材に対して、こう語っている。 「(この発表は)少し遅すぎました。彼らは間違ったことをしたと認めたのでしょう。私は思いました。自ら命を絶った人々のどれくらいが彼らの責任なのだろうと。Netflixは私の家族を壊しました。私たちは今も、破壊された暮らしを戻そうとしているところです」 またこの問題は、世界保健機関(WHO)が全世界に向けて、「テレビや映画製作者らに向けた『自殺予防の指針』」を策定するきっかけにもなった。
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