膜なし型
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/03/30 17:53 UTC 版)
膜なし型電池は、2種類の電解液が2つのチャネルに流通する際に生じる層流に依存する。これらが電気化学反応を起こし、エネルギーを蓄えたり開放したりする。電解液は互いにほとんど混ざり合わず並列に流れる。流れによって自然に液体同士が分かれるため、膜がいらなくなる。 膜は特定の反応物に繰り返し曝されることにより腐蝕することがあり、電池内で最もコストがかかり、かつ最も信頼性が低い構成材であることが多い。膜がないことにより液体臭素溶液と水素を用いることができる。膜を使用する場合、この組み合わせは臭化水素酸の生成により膜を痛めるため問題となる。両材料は低コストで利用可能である。 この設計では2つの電極の間に小さなチャネルを設ける。液体臭素は炭素カソード上のチャネルを、臭化水素酸は多孔質アノード上のチャネルを流れる。同時に、水素ガスをアノードに流通させる。膜なし設計としては初めて、逆反応を起こして電池を充電することが可能である。2013年8月に発表された膜なしフロー電池は他の膜なしシステムの3倍となり、リチウムイオン電池よりも高い最大出力密度 7003795000000000000♠7950 W/m2 を達成している。 Primus Power(英語版) はレドックス型亜鉛-臭素フロー電池における膜やセパレータを不要とし、コストと故障率を低下させる特許技術を開発した。Primus Power の膜なしレドックスフロー電池はアメリカ合衆国とアジアにおける2017年2月21日に発表された第2世代製品に用いられている。Primus Power EnergyPod 2 が生産中である。
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