美濃囲いの派生形・変形
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 21:05 UTC 版)
9 8 7 6 5 4 3 2 1 一 二 三 四 五 歩 六 歩 歩 歩 歩 七 銀 銀 玉 八 金 桂 香 九 銀美濃 9 8 7 6 5 4 3 2 1 一 二 三 四 五 歩 六 歩 歩 歩 七 銀 玉 八 金 桂 香 九 片美濃 9 8 7 6 5 4 3 2 1 一 二 三 四 五 歩 六 歩 歩 歩 七 銀 金 玉 八 桂 香 九 金美濃 玉側の端歩を突くかどうか任意であるが、対抗型では玉の逃げ道の確保や居飛車穴熊対策などに端歩を突くことが多く、突き越すこともある。それに対し、相振り飛車では端歩を突くと却って相手からの端攻めを誘発するため端歩は突かない。玉側の端歩を突かない形の美濃囲いは棺桶美濃と呼ばれる。 左金の代わりに左銀が参加する形は銀美濃(ぎんみの)と呼ばれる。通常の美濃囲いに比べ金銀相互の連絡は良いが、手数がかかる上、左銀の横腹が弱点となるなど欠点が多く、あまり使われる形ではない。 金銀が1つない美濃囲いは片美濃(かたみの)と呼ばれる。堅さには欠けるが、左金を用いて攻めを強力にすることができる。中飛車では5八(後手では5二)に飛車があるため、美濃囲いに囲おうとすると必然的にこの形になる。また金美濃はこの形より上部に強いが、下段からの攻めには弱くなる。 9 8 7 6 5 4 3 2 1 一 二 三 四 五 歩 歩 歩 歩 六 銀 歩 七 金 銀 玉 八 金 桂 香 九 ダイヤモンド美濃 9 8 7 6 5 4 3 2 1 一 二 三 四 五 歩 歩 歩 歩 六 金 歩 七 銀 玉 八 金 桂 香 九 高美濃 9 8 7 6 5 4 3 2 1 一 二 三 四 五 歩 歩 歩 歩 六 金 銀 七 金 玉 八 桂 香 九 銀冠 9 8 7 6 5 4 3 2 1 一 二 三 四 五 歩 歩 六 歩 歩 銀 七 金 金 玉 八 桂 香 九 銀冠(4八金型) 9 8 7 6 5 4 3 2 1 一 二 三 四 五 歩 歩 歩 歩 六 金 銀 七 金 香 八 桂 玉 九 銀冠穴熊 9 8 7 6 5 4 3 2 1 一 二 三 四 五 歩 歩 六 歩 歩 銀 七 金 金 香 八 桂 玉 九 銀冠穴熊(2八金.3八金型) 美濃囲いの4七の位置に左銀をおいたものは、金銀の連携の形からダイヤモンド美濃と呼ばれる。金銀4枚で囲うため非常に堅い。 美濃囲いから数手進めて左金を4七の位置へ進めた形を高美濃(たかみの)という。横の堅さを維持したまま上部からの攻めにも対応しているが、玉頭はまだ弱い。堅さを高めるとともに、攻めへの活用も視野に入れて3七の位置に桂馬を跳ねるのが普通だが、端がさらに弱くなる欠点もある。この形では3六歩と5六歩を突いていないと4七金が桂馬で狙われるため、特に3六歩は金上がりに先んじて突かれることが多い。 高美濃囲いからさらに手を進め、銀を2七の位置へ、右金を3八の位置へ進めると銀冠(ぎんかんむり)という囲いになる。上部からの攻めに手厚い囲いであるが、玉の堅さより玉の(上部の)広さに重点を置いた囲いであり、終盤の寄せ合いに強い。3七に桂馬を上げるとさらに上部に手厚く攻撃的な形になるが、下段が薄くなるため敢えて桂馬を跳ねないことも多い。大山康晴十五世名人は銀冠では決して桂馬を跳ねるべきではないと主張していた。また、銀を上がった瞬間の形が極端に弱いため、上がるタイミングを誤ると一気に崩される可能性もある。高美濃囲いを経由せずに、金が3八と4八にあるものも銀冠と呼ぶ。通常の銀冠よりも短手数で組め、下段からの攻めに強い。 銀冠から穴熊に潜った形を銀冠穴熊という。通常の銀冠よりも、玉が戦場から遠くなるという利点がある。また、4八金型から穴熊に潜り、2八金、3八金寄と締めた形もそう呼び、3八金.4七金型より堅い。 9 8 7 6 5 4 3 2 1 一 二 三 四 五 歩 六 歩 歩 歩 七 銀 玉 八 金 桂 香 九 ちょんまげ美濃 9 8 7 6 5 4 3 2 1 一 二 三 四 五 六 歩 歩 歩 七 銀 玉 八 金 桂 香 九 坊主美濃 9 8 7 6 5 4 3 2 1 一 二 三 四 五 歩 歩 六 銀 歩 歩 七 金 玉 八 桂 香 九 木村美濃 2筋の歩を突き、居飛車と思わせてから飛車を振る(陽動振り飛車)場合、片美濃囲いや本美濃囲いに組んでも2筋の歩が突かれた状態が残る。この歩を玉のちょんまげに見立てて、加藤治郎は「ちょんまげ美濃」と命名した。銀冠などに発展させることにより、ちょんまげは消滅する。また、玉頭に歩が無い形は坊主美濃とよばれ、ひねり飛車などの戦型で現れる。歩が無いため、片美濃囲いよりもはるかに玉頭が弱く、玉が3九に居ることも多い。堅さを望む場合には2七に持ち歩を打ち、普通の片美濃囲いにすることもある。 また木村義雄が香落ち戦で多用した囲いが木村美濃(きむらみの)である。平手戦でもツノ銀中飛車戦法や雁木戦との相性が良い。美濃囲いよりも矢倉囲いに近いと考える者もいる。
※この「美濃囲いの派生形・変形」の解説は、「美濃囲い」の解説の一部です。
「美濃囲いの派生形・変形」を含む「美濃囲い」の記事については、「美濃囲い」の概要を参照ください。
- 美濃囲いの派生形・変形のページへのリンク