統語的構造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/27 14:52 UTC 版)
以上のような漢字の性質を踏まえ、漢籍に出典のある表現のうち、現代の日本語において漢熟語とみなされている語の構造として、より統語的である、1.主述構造、2.補足構造、3.修飾構造、4.認定構造の例を以下に挙げる。なお、参考として現代中国語における発音を併記したが、これらは必ずしも現代中国語として通用する表現とは限らない。 統語的構造の例熟語音読み中国語読み備考1.主述構造雷鳴 らいめい léimíng 述語を動詞とみなし「雷(かみなり)鳴(な)る」と訓読できる。 年長 ねんちょう niánzhǎng 述語を形容詞とみなし「年(とし)長(たか)し」と訓読できる。 2.補足構造飲酒 いんしゅ yǐnjiǔ 「動詞+目的語」の形(動賓構造)とみなし「酒(さけ)を飲(の)む」と訓読できる。 即位 そくい jíwèi 「動詞+補語」の形とみなし「位(くらゐ)に即(つ)く」と訓読できる。 3.修飾構造美人 びじん měirén 修飾語を形容詞、被修飾語を名詞とみなし「美(うつく)しき人(ひと)」と訓読できる。 月光 げっこう yuèguāng 修飾語、被修飾語を名詞とみなし「月(つき)の光(ひかり)」と訓読できる。 流水 りゅうすい liúshuǐ 修飾語を動詞、被修飾語を名詞とみなし「流(なが)るる水(みづ)」と訓読できる。 既知 きち jìzhī 修飾語を副詞、被修飾語を動詞とみなし「既(すで)に知(し)る」と訓読できる。 多読 たどく duōdú 修飾語を形容詞、被修飾語を動詞とみなし「多(おほ)く読(よ)む」と訓読できる。 4.認定構造可憐 かれん kělián 「可能の助動詞+動詞」の形とみなし「憐(あは)れむべし」と訓読できる。 被覆 ひふく bèifù 「受身の助動詞+動詞」の形とみなし「覆(おほ)はる」と訓読できる。
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