統治形態について
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/06 17:14 UTC 版)
「ルーホッラー・ホメイニー」の記事における「統治形態について」の解説
ホメイニーの著書『イスラム統治体制』(法学者の統治論)はイスラムに基づく国家と社会のあり方について述べているが、本書の理念はイラン・イスラム共和国憲法の基本原理として盛り込まれた 。 法学者の統治論は十二イマーム派の政治理論であり、ホメイニー以前から存在していたもので、ホメイニーはこれを発展させ、『イスラム統治体制』でイスラム法学者はイスラム政治体制を樹立し、国家権力を持った社会統治を行う(連帯)義務を持っているとした。また、『イスラム統治体制』ではイスラムの政治体制の目的はイスラムの法を行うことであり、統治者に必要な条件はイスラム法学についての知識と指導者としての公正さであるとし、一般信徒は無謬のイマームに対するのと同じように従う義務があるとされている。 そして、イスラーム法に厳正にのっとった統治を行うことで社会に「イスラーム」的秩序を貫徹させ、汚職のない公平な税収運用、支配者による収奪の徹底した排除、被抑圧者の解放と救済などを達成するよう説いており、彼の主張する「イスラーム的統治」によって、君主や貴族の汚職・浪費・収奪などが批判されたパフラヴィー朝とは全く異なるイスラーム的公益社会を実現しようとした。 ホメイニーは君主制・世襲権力をイスラームの理念に反しているとして否定している。直接にはパフラヴィー朝を指しているが、ホメイニーはそれまで合議制だったカリフ位をウマイヤ家が世襲制にしたことにシーア派が対抗した事例を挙げることで、シーア派の歴史の中に反君主制・世襲権力という動きを見出そうとしている。ただし、当時シーア派がウマイヤ家のカリフ位世襲に反対したのは、預言者の血縁のアリー家によるカリフ位の世襲を目指したためである。
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