経済と通信
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/08 13:44 UTC 版)
「フィンランド多島海域」の記事における「経済と通信」の解説
この地域はフィンランド本土と比較して高い生活水準にある。漁業と水産加工業(英語版)が主な産業である。この海域は、バルトニシンとニジマスの産地としてよく知られている。農業は、島々が小さいことと岩がちなことから限定的に行われている。しかしながら、気候に関してはフィンランド本土と比較して農業に向いていることから、リュマッチュラ島(英語版)(フィンランド語: Rymättylä、リミト島(スウェーデン語: Rimito))を含むいくつかの島々は、夏に最初の新ジャガイモを生産することでフィンランド本土側で有名である。この島々の経済の中で観光業の重要性は年々増してきている。 島々は橋かフェリーで結ばれており、オーランド諸島には小さな空港もある。フェリーは2つのカテゴリーに分けられる。1つは「ロードフェリー」(フィンランド語: lautta, lossi、スウェーデン語: landsvägsfärja, färja)であり、無料で利用可能で、ほとんどの場合近接した(大きい)島の間を短い航路でつないでいる。これらはいかだ様に作られており、通常は道路管理者によって運行されている。この中も小さいものの中にケーブル・フェリー(英語版)(フィンランド語: lossi、スウェーデン語: kabelfärja)がある。そして、大きな規模になるとケーブルは使用しないフェリーとなる。もう一方のフェリー(フィンランド語: yhteysalus、スウェーデン語: förbindelsefartyg)は、ロードフェリーと比較して、より船に近い形をしており、海事管理者によって運行され有料である。これらの船は小さく距離の離れた島々を結ぶ、より長い航路で運航されている。また、更に大きな営利目的のクルーズフェリー(英語版)がフィンランド本土の都市、トゥルクとヘルシンキからオーランド諸島、そしてスウェーデン本土までを結んでいる。 寒い冬の間、いくつかの島々の間では公式にアイスロードが設置される。また、公式にアイスロードが設定されていな島へも氷上で車を運転して向かうことも一般的である。アイスロードはフィンランド本土から島々へ乗用車で移動することが出来るため、輸送が大幅に容易になる。年によるが、非常に氷が厚くなった場合、重いバンであっても通行することが可能である。一方で、春と秋の間に解氷期(フィンランド語: kelirikko、スウェーデン語: menföre)があり、この間の氷は徒歩移動も難しい程弱いにも関わらず、小さな舟での航行には厚すぎる状態となる。これにより、大型船が接岸できる桟橋を持たない島々が数日から数週間に渡って孤立することがある。この場合、ハイドロコプター(英語版)、ホバークラフト、そしてヘリコプターでしか島にアクセスすることが出来なくなってしまう。 多くの重要な航路が、フィンランド多島海域の中に設定されている。航海は迷路の様に並ぶ島々や変化し続ける水深、数多の岩礁のため危険なものとなっている。このため、島々には様々な大きさの灯台や航海標識が点在している。水先案内人のサービスが行政によって維持されている。
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