経営者としての転機
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 23:03 UTC 版)
同業各社が類似業態を相次ぎ開店し、新業態の店舗も不振で業績は急降下し、リーマン・ショックも重なり、株価は50円を下回った。 外資系証券会社からファーストリテイリングの柳井正会長兼社長を紹介され、2008年12月24日に面会した。雑談もなくはじまった鋭い質問に圧倒され「志のない会社は、継続的に成長できない」という柳井氏の言葉が響いた。2009年1月7日に新たなビジョン・戦略策定のため役員らが熱海で合宿し、「メガネをかけるすべての人に、よく見える×よく魅せるメガネを、史上最低・最適 価格で、新機能・新デザインを継続的に提供する」 戦略を策定する。 レンズ追加料金なしの料金体系「NEWオールインワンプライス (史上最低・最適価格)」と、新開発した軽量メガネフレーム「Air frame」を合わせて発表し、大規模な広告費を投じた。「Air frame」は当初7万本を発注し、2020年で累計販売本数2,000万本を超えた。パソコン用のメガネ「JINS PC(現JINS SCREEN)」など新商品を発売してV字回復の原動力となった。花粉症対策メガネ「JINS 花粉 CUT」、目の乾燥から守る保湿メガネ「JINS MOISTURE」、集中力を計測する「JINE MEME」、ひとりで夢中になるためのソロワーキングスペース「Think Lab」など新商品が多い。 2010年、優れた起業家を表彰する「Ernst&Young ワールド・アントレプレナー・オ ブ・ザ・イヤー」で大賞を受賞し、 日本代表としてモナコ世界大会に出場した。 2012年、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科で経営を学び修士課程を修了した。 2013年、株式会社ジェイアイエヌを東京証券取引所第一部に上場し、群馬県や前橋市の地域活性化を目的に田中仁財団を設立し、前橋まちなか研究室の開設や群馬イノベーションアワードの実行委員長を務める。 2014年、従業員の給与を平均で10.2パーセント引き上げ大規模に社内改革した。広告宣伝費を削減して給与に引き当てた。 2017年、株式会社ジェイアイエヌが株式会社ジンズに商号を変更した。 2021年5月、社外取締役を務めていたバルミューダの株式買い付けにおいて、事前申請し株式取得の承認を得ていたが誤って承認期間前日に買い付けを行う。当日中に自ら間違いに気づき関係各所に誤りを申し出ていたことから会社側からの特別な措置はなかった。しかし、11月に会社のガバナンスが見直されたことを受けて、自ら5月から10月までの月額報酬を全額返上。翌12月24日付けで社外取締役を辞任。
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