紅い牙・VI 『ハトの旋律』
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「紅い牙」の記事における「紅い牙・VI 『ハトの旋律』」の解説
(初出 花とゆめ 1981年4-5号) 王翠学園を舞台に後の重要ファクターとなる「プロジェクト・ダブ(ハト計画 dove=ハト)」の概要が明かされる。後に計画阻止の鍵を握る奈留・真知の榛原姉妹やランの仲間である応援団「新撰組」が登場する。 横浜の私立王翠学院。ランはそこで図書館司書として働いていた。それは、知人の東都日報記者が王翠学院でタロンの手でひそかに行われている「ハト計画」を追って謎の死を遂げたことを不審に思った桐生仁が、ランに依頼した情報収集だった。学院では生徒会長の三好と副会長の不破が異様なカリスマ性で生徒たちを扇動し、応援団「新撰組」を不良集団として排除しようとしていた。彼らこそタロンが送り込んだ「ハト」だったのだ。不破たちは生徒を操り少年院帰りの新撰組の団長、芹沢を殺害する。新撰組のメンバーは制服に血をつけて帰ってきた奈留を犯人と疑いつるし上げるが、ランの説得を聞き入れ王翠でのハト計画の阻止を決意する。ランは英語教室に潜入し、生徒たちがヒアリングテープで洗脳されていることを突き止めるが、タロンのメンバーである英語教師の四条の手におち、そこでハト計画の全貌を知らされる。ハト計画とは、優秀な若者を選抜しタロンの理想教育を施した上で社会のエリート階級に就かせ、世界を支配する計画だったのだ。ランは洗脳されそうになったところを危うく新撰組に救出される。彼らは自分たちを理解してくれたランを「仲間」と認めたのだ。ランたちは三好たちの陰謀の真相を一般生徒たちに呼びかける。次第に生徒たちは彼らの言葉に耳を傾けはじめ、危機感を持った三好たちは奈留を誘拐することでランたちをおびき出し始末しようとする。しかしその現場を警察に押さえられ逮捕される三好と不破、そこに四条が現れ「雪は降る」のメロディーを聞かせると二人は倒れ死亡する。ハトの脳には一定のメロディーに反応して死に至らしめる特殊な装置が埋め込まれており、「雪は降る」は任務に失敗したハトを粛清する「ハトの旋律」だったのだ。二人を消し逃亡しようとする四条、しかしランの「紅い牙」が目覚め四条を倒す。王翠のハトは消えたが、ランはまた「仲間」から離れ流離うこととなるのだ……。
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