第4幕:マサニエッロの小屋の中
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「ポルティチの唖娘」の記事における「第4幕:マサニエッロの小屋の中」の解説
マサニエッロ達の革命は成功し、マサニエッロは革命の指導者として権力の中枢にある。彼の元にはナポリの行政官や市民達がやってきて、自分達の財産と引き換えに革命の流血を避けるよう懇願する。マサニエッロは、お前達の財産は我々貧しい人間達の汗の結晶で、お前達のものではないというが、市民達の懇願を受け入れて、生命の安全を保障して、市民達を帰す。 一人になったマサニエッロは、自分達が起こした革命の凄惨さを思い起こし苦しむ。そこにフェネッラが真っ青な顔で戻ってくる。彼女は革命で無法地帯と化したナポリの街を見て、強い衝撃を受けたと兄に説明する。マサニエッロは妹を落ち着かせるために眠りにつかせる。そこにピエトロ達が現れ、マサニエッロがナポリの市民達に甘過ぎる、我等は復讐がしたい、革命の時の誓いを忘れたか?と迫る。さらに、逃亡した副王の息子アルフォンスを見つけ次第処刑すると語る。マサニエッロは暴君は追い出した、これ以上殺戮を重ねる必要はないのではないか、と説くが、ピエトロ達は承諾しない。仕方なくマサニエッロはピエトロ達に、ここには妹が寝ているので奥の部屋でゆっくり話をつけようと言い、出て行く。しかし、眠っているはずのフェネッラは実は起きていて、兄達の話を全て聞いていた。 兄達が去った後、一人恐怖に震えるフェネッラ。そこに、今やお尋ね者になったアルフォンスがエルヴィールと共に小屋にやってくる。彼らはマサニエッロに命乞いに来たのだ。フェネッラを見つけたアルフォンスは驚愕するが、自分は殺されても仕方ないが妻には罪は無いので助けて欲しい、と頼む。フェネッラは最初助けるような身振りを示すが、エルヴィールのベールを上げて顔を見ると、嫉妬に狂い奥に駆け出そうとする。エルヴィールはこれを止めて、お前がかつて私に助けを求めた時助けてあげたでしょうと言い、救いを求める。この言葉にフェネッラも折れ、二人を助ける事を約束する。そこに現れた兄に彼らの命乞いをし、マサニエッロも二人を保護しようと約束する。しかし、ピエトロ達は復讐とばかりにアルフォンスを殺そうとするが、フェネッラが間に入り、これを阻止する。マサニエッロは部下に彼らを安全なカステル・ヌオーヴォに連れて行かせる。そこにナポリの貴族や金持ちが市の鍵を持って来て、マサニエッロにナポリの指導者になるよう求める。これを承諾した彼は、群衆の歓呼の中、ナポリに向かう。しかし、ピエトロ達は奴の栄光は長くないと囁く。
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