第1話 有尾人(ホモ・コウダッス)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/23 01:59 UTC 版)
「人外魔境」の記事における「第1話 有尾人(ホモ・コウダッス)」の解説
中央アフリカのコンゴ北東部、ナイル川の水源地帯に、コンゴ・バンツウ語で「悪魔の尿溜(ムラムブウェジ)」と呼ばれる人跡未踏の密林地帯があり、そこには、人類がいまだ見たことが無いという巨獣の終焉地「森の墓場(セブルクルム・ルクジ)」が存在するといわれる。北を流沙地帯、他の三方を気根寄生木の密生地帯に囲まれている上、上空には常にカ・ブユ・ハエ等の大群が飛んでいるため、接近が難しいのである。 ポルトガル領東アフリカの首都モザンビイクにある日系混血の精神科医・座間七郎の研究所で、アメリカ人の密猟者ジョジアス・カークは、イタリア・メドナ大学の動物学者アッコルティに、全身に暗褐色の毛が生え、一尺ほどの尾を持つ「有尾人(ホモ・コウダッス)」を披露する。カークによれば、ドドと名付けられたこの有尾人は、北緯4度・東経28度、英領スーダンと白領コンゴとの国境附近、「悪魔の尿溜」から30マイルほど離れた地点で捕獲したものだという。この有尾人は、アッコルティの見立てでは、人間とチンパンジーの雑交児か、あるいは原人であろうという。 座間の婚約者マヌエラ・メンドーサのもとに、マヌエラの幼馴染で、ミスル航空の元パイロットであるベルギー人青年ヤン・ベデーツが現れた。混血の座間やカークを見下すヤンと、そのヤンとよりを戻すようなそぶりをみせたマヌエラに嫌気のさした座間は、カークとともに「悪魔の尿溜」の探検を決意する。ところが、マヌエラがその探検に参加すると言い出し、さらにヤンもついてくることになった。 探険に出た一行は、バイエルタールと名乗るドイツ人に遭遇し捕えられる。彼は、有事の際にナイル川水源の閉塞作戦を行う、という妄想に取りつかれていた。バイエルタールから辛くも逃れた一行は、やむなく「悪魔の尿溜」の奥地へと進んでいくことになる。そのうちに座間は、マヌエラがラターを持病としていることに気づく。マヌエラの奇妙な行動は、目の前の人間の行動をそのまま繰り返す、というラターの発作症状だったのだ。
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