稲荷山
稲荷山
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 22:33 UTC 版)
神体山である稲荷山は、東山三十六峰の最南端に位置し、標高233m。3つの峰(一ノ峰、二ノ峰、三ノ峰)が連なるが、かつては古墳で、それぞれに円墳が確認されている。三ノ峰からは二神二獣鏡が出土している。この山々「お山」を中世には「下ノ塚」「中ノ塚」「上ノ塚」と呼び、奥社奉拝所の先にある山々を巡拝できる参道には、そこかしこに人々が石碑に「白狐大神」や「白龍大神」などの神名を刻んで祀られた無数の小さな祠(その数、1万基、あるいはそれ以上とも言われる)の「お塚」が奉納されており、「お塚信仰」と呼ばれている。 参拝者の中には、「お塚」の前にひざまづいて「般若心経」や「稲荷心経」などを唱えている人もおり、日本で神仏分離が行われる前の信仰(神仏習合を参照)が今でも保たれているのを見ることができる。奥社奉拝所の奥に「おもかる石」という石がある。この石は試し石のひとつで、願いを念じて持ち上げた時、重さが予想していたより軽ければ願いが叶い、重ければその願いは叶わないといわれている。 また稲荷山には信者から奉納された約1万基の鳥居があり、特に千本鳥居と呼ばれる所は狭い間隔で多数建てられ名所となっている。鳥居を奉納する習わしは江戸時代に始まった。 応仁の乱で焼失する前は稲荷山の山中にお社があったが、再建はされず現在は神蹟地として残っている。明治時代に以下の七神蹟地を確定し、親塚が建てられた。お塚は、その周りを取り囲む形となっている。親塚の神名が本殿に祀られる五柱の神名とは異なるが古くからそういう名前で伝わっているとされ、理由は定かではない。 七神蹟地、およびその親塚にある神名 一ノ峰(上之社神蹟) - 末広大神 二ノ峰(中之社神蹟) - 青木大神 三ノ峰(下之社神蹟) - 白菊大神 荒神峰(田中社神蹟) - 権太夫大神 間ノ峰(荷田社神蹟) - 伊勢大神 御膳谷遙拝所 - 往古に三ヶ峰に神供をした所と伝えられている。 釼石(長者社神蹟) - 社殿の後ろに御神体の剱石があり長者社には加茂玉依姫(かもたまよりひめ)を祀る。 間ノ峰(荷田社神蹟) 御膳谷遙拝所 釼石(長者社神蹟) 稲荷塚(稲荷山に数万カ所所在) 稲荷塚、稲荷信仰が伺える
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