種間関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/26 02:37 UTC 版)
種間の場合、捕食-被食関係など、互いの力関係ははじめから決まっていることが多い。強い方が威嚇をする必要はなく、弱い方は逃げるか、命がけの反撃に出ることになるが、逃げる前に逃げ出すための威嚇をおこなう、というのがよくある形である。これらの威嚇は肉体的・精神的な刺激を与えて怯ませるなどで強い方の攻撃意欲を無くさせて、逃げる時間を確保することを目的としたものが多い。たとえば、カマキリが昆虫を捕まえる場合、そっと忍び寄って、素早く鎌で獲物を捕まえるだけである。しかし、ほ乳類がカマキリに手を出せば、カマキリは体を起こし、鎌を引きつけながら左右に広げ、羽を立てて威嚇をする。さらに近づけば鎌で挟んで痛みを与える。やぁ このように、ある程度の武器を持つものは、その武器をさらし、大きく見せる行動を取るものが多い。ほ乳類では、その際に後ろ足で立ち上がるものがあるが、これは、目の高さをもって相手の大きさを判断するものが多いからだとも言われている。つまり、頭の位置が高い方が大きく見える、というわけである。同時に、牙や爪を見せるのもよくあることである。また、大きな声を上げて吠えたり唸ったりするのも、威嚇の行動によく見られる。有毒な動物が派手な色や模様を持つ場合、これを警告色(一般には警戒色を使う例が多い)というが、威嚇のためにこれを強調する行動を取る場合もある(例としてヒョウモンダコが、普段は黄褐色一色の皮膚をしているが、危機が迫ると紫と白の縞模様になる)。また、これに擬態する無毒種も、同様の行動を取る場合がある。 昆虫の場合も、脚を踏ん張り、羽を広げるといったよく似た行動が見られるものがある。また、唐突に音を立てるものもある。そのような音は警戒音といわれる。 いくつかの昆虫に共通に見られるパターンとして、目玉模様(眼状紋)がある。チョウやガ、あるいはイモムシなどに見られるもので、黄色と黒の同心円模様である。これらの昆虫は攻撃を受けた際にこれを強調する行動を取る例が多い。一説によると、この模様は小鳥にとって猛禽を想像させるため、警戒色として作用すると言うが、その効果については諸説あって明確ではない。
※この「種間関係」の解説は、「威嚇」の解説の一部です。
「種間関係」を含む「威嚇」の記事については、「威嚇」の概要を参照ください。
- 種間関係のページへのリンク