生殖と「寄生」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/01 16:56 UTC 版)
寄生とは本来種間関係を表す用語だが、生体間の直接の栄養授受という意味で「雌の体の上に雄が寄生する」と表現することもある。深海性のアンコウ類には、雄が雌より極端に小さく、雌の体表に噛みつくような形で固定されているものがある。雄は小さい間に雌に出会うと、雌にとりついて、そのまま寄生生活にはいる。これは深海という個体数や生息密度の限られる環境下で、繁殖時の出会いの機会を確保するための適応と言われる。これらの中には、雄の体の循環系や消化器系といった器官が退化して、ほとんど雌の体と同化してしまうミツクリエナガチョウチンアンコウなどの種も存在する。他にも、寄生性の甲殻類やユムシ動物のボネリムシ、コケ植物の一部などにそのような例がある。このような雄を矮雄という。 また、胎生の動物においては胎児は母親の胎内にあって母親から栄養等の補給を受けているから、胎児は母親に寄生しているということもできる。同様な関係は種子植物の本体と配偶体の間にも成立する。
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