種間保存性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/15 13:54 UTC 版)
シトクロムcは高度に保存されたタンパク質で、植物、動物、単細胞生物など非常に多様な生物で確認されている。この保存性と、約 12,000 Da という分子量の小ささから、分子系統学において有用なツールとなっている。一次構造はおよそ100アミノ酸残基から成るポリペプチド鎖であるが、多くの多細胞生物では104アミノ酸残基のポリペプチド鎖となっている。 シトクロムcは進化生物学の分野でも研究対象となっている。例えばニワトリとシチメンチョウにおけるシトクロムcのアミノ酸配列は全く同じであるが、これらとアヒルとの間には1アミノ酸残基の違いがある。同様に、ヒトとチンパンジーのシトクロムcはまったく同一であるが、アカゲザルとの間には1アミノ酸残基の違いがある。ヒトとチンパンジーでは66番目のアミノ酸残基がイソロイシンであるが、アカゲザルではこれがスレオニンになっている。ブタ、ウシ、ヒツジのシトクロムcは全て同一である。
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