実際的な差異
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/06 00:38 UTC 版)
このような型の寄生生物は、いくつかの点で一般的な寄生生物とは異なった特徴をもつ。普通の寄生虫は宿主を殺さないので、必ずしも宿主の天敵としては機能しない(生殖能力を失う例はある)。例えば害虫防除のために天敵を利用する場合、病原菌かこのような捕食寄生のものがよく使われる。通常の寄生虫ではこのような効果は期待できない。 生態学で群集や種間関係を考える場合も、この二つを区別して考える必要があることもある。例えば食物連鎖を考える場合、一般の寄生者と宿主の関係は、捕食者と被食者との関係とは見なせない。寄生者と宿主だけを取れば確かに栄養を宿主から得ると言えるが、宿主に対する捕食者から見た場合、餌に寄生生物が入っているかどうかは問題にならない。したがって、食物連鎖全体で見れば、寄生者と宿主の関係は宿主体内の問題に押し込まれた形で見えなくなる。しかし、捕食寄生の場合には、寄生生活中は一般の寄生者と同じに考えられるが、そう長くない期間の間に宿主を殺して独立してしまうから、捕食-被食関係と見なせる。
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