硬券
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 00:20 UTC 版)
硬券(こうけん)は硬い厚紙で作られた乗車券のことで、鉄道などの乗車券として古くから用いられた。定義は曖昧だが、柔らかめの硬券を「半硬券」と称することもある。 あらかじめ発駅と着駅とが印刷された券を準備しなければならず、非常に沢山の種類の券を準備する必要があった。硬券を準備するための収納器具を硬券差(硬券ホルダーとも)という。需要がそれほど見込めない駅に対してはいくつかの着駅を券面に予め印刷しておき、その駅の直下部を切り落として使う準常備式乗車券や、発駅・着駅が未記入の補充型乗車券も見られた。 切符に日付を入れる際には、古くからダッチングマシンと呼ばれる機械を用いて日付けを入れていた。しかし現在はメンテナンスに手間がかかることや、コスト削減のため、スタンプを使用している会社も少なくない。 切符は着駅ごとに1枚ずつ順番に番号を割り当て、番号順に発券、残っている券の一番若い番号を調べ、前日の番号と対比することで発券枚数を把握した。 1836年、イギリスのニューカッスル・アンド・カーライル鉄道のミルトン駅駅長であったトーマス・エドモンソンが上記の発売方式とともに考案した。当時は合理的な方式であり、1840年代からイギリスを始めヨーロッパに普及していった。 日本において近年では自動券売機や発券端末の台頭により、2019年(平成31年)4月で自社製造を終了した北海道旅客鉄道(JR北海道)を最後に、JR各社では定期販売を取りやめており、また、他の事業者でも硬券は廃れる傾向にある。しかしながら現在でも島原鉄道のように一部の鉄道会社では日常的に使われている(発券端末未導入や自動券売機で入場券が購入できないなどの理由による)ほか、通常は硬券を販売していない会社でも記念切符としてセットなどの形で発売されることもある。 日本ではサイズは基本的にA型、B型、C型、D型の4種類である。
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