砲戦能力を持つ航空母艦
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/11 14:31 UTC 版)
航空母艦という艦種が出現した頃は、航空機の性能が低く天候に左右され、また艦隊決戦が戦争の趨勢を決し、海軍の主力は戦艦であるとされていたため、艦隊行動をとる空母も近接する敵巡洋艦や駆逐艦などに対抗するため、ある程度の砲戦能力は必要とみなされていた。 ワシントン海軍軍縮条約において、空母の備砲の口径は20cm、つまり重巡洋艦の主砲クラスまでに制限された。日本海軍の「赤城」・「加賀」は、就役時には条約の制限枠いっぱいの20センチ主砲を連装砲塔2基(4門)、単装6門の計10門(片舷に向けられるのはその半分)装備していた。しかし前部の中段飛行甲板両脇に設置された20センチ砲塔は、発射の衝撃で飛行甲板先端が損傷するなどのトラブルがあり、改装時に中・下段飛行甲板と共に撤去され、上段飛行甲板が延長されている。「加賀」は改装前と同数の単装10門に変更されたが、「赤城」は6門に減少したままだった。「赤城」・「加賀」と同様に戦艦(巡洋戦艦)から航空母艦に改装されたアメリカのレキシントン級航空母艦も、竣工時は艦橋構造物の前後に8インチ(20.3cm)連装砲を2基ずつ、計4基を搭載した。 ドイツの未成に終わった空母「グラーフ・ツェッペリン」は対艦戦闘を考慮して15センチ砲を搭載する設計となっていた。装備数は設計段階から実際に建造された段階まで幾つか変遷しているが、最大で16門の搭載が予定されていた。
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