石油コークスとは? わかりやすく解説

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石油コークス

読み方せきゆこーくす
【英】: petroleum coke

アスファルト級の重質油コーキング装置処理して熱分解行ったときの残査分で、炭素主成分とする暗褐色堅い多孔質のものである。石油コークスには、コーキング方法によって、フルード・コークス(fluid coke)とディレード・コークス(delayed coke)とがある。しかし、フルード・コークスは粉状で、製油所自家燃料使用される程度であまり用途がなく、一般に石油コークスと称するのはディレード・コークスのことである。ディレード・コークスには、生コークスraw coke)と?V焼{かしょうコークス(calcined coke)とがある。生コークスコーキング装置から採取されそのままコークスで、?V焼コークスはこれをさらにもう一度焼いて揮発分を除去したのである。生コークス石炭コークスよりも灰分少ないので、カーバイド工業炭素材、鋳物コークス合金鉄コークスなどに使用されるか焼コークスは、電極アルミ電極研削材原料使用される。なお、石油コークスは用途により硫黄分金属分などが含まれていると好ましくないので、その原料油は低硫黄分のもので、バナジウムニッケルなどの重金属分の少ないことが望まれる。そのため、高硫黄残油場合コーキング前処理として直接脱硫装置かけられ脱硫および脱メタルが行われている例もある。

石油コークス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/29 13:17 UTC 版)

石油コークス (せきゆコークス、Petroleum coke)とは、石油精製の最終残渣として残る炭素分の多い固体で、一般にコークスと呼ばれる燃料の1つである。英語では省略してペットコーク (petcoke) とも言う。石油コークスはクラッキングにより石油中の長鎖炭化水素を分解して短鎖炭化水素にした後の残りにあたる[1]。別の言い方をすると、「石油精製における高沸点留分 (重質残渣油) を炭化したもの」と言える[2]。石油コークスは、カナダ産またはベネズエラ産のオイルサンドから抽出したビチューメンから合成石油を生成する際の副産物として生産される[3][4]


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  2. ^ http://goldbook.iupac.org/P04522.html
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  18. ^ Detroit Free Press, "HEALTH CONCERNS GO BEYOND FLINT WATER " by Keith Matheny; Sunday March 27, 2016; page A1
  19. ^ Andrews, Anthony (2013). “Petroleum Coke: Industry and Environmental Issues”. Congressional Research Service: 9. http://www.nam.org/CRSreport/. 


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「石油コークス」の例文・使い方・用例・文例

  • 蒸留の後の石油コークス
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