皇帝の定着とは? わかりやすく解説

皇帝の定着

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 03:16 UTC 版)

皇帝」の記事における「皇帝の定着」の解説

始皇帝自身から始めて二世皇帝三世皇帝と続かせる意図であったが、反乱相次いだため、秦の皇帝2代15年終わった始皇帝から数えて3代目嬴子嬰は、始皇帝死後の反乱によって中国全土支配することができなかったため、単に「王」称した。秦末・楚漢戦争期の群雄多く各地「王」称した戦国時代楚王末裔である懐王は、諸王盟主として扱われ、秦の滅亡後は「義帝」と呼ばれた一方で最大実力者であった項羽は「西楚の覇王」を称したとされる紀元前202年楚漢戦争項羽倒した漢王劉邦は、配下諸王から「皇帝」を称するよう献言された。劉邦は「帝は賢者称号である」として再三辞退する動き見せた後、漢の「皇帝」に即位した。ただし漢においては諸侯王各地封じる封建制採用され五帝超える存在としての皇帝号としては扱われなかった。浅野裕一は、漢の皇帝三皇五帝始めとする帝王超越した存在ではなく継承者として扱われていたとしている。さらに劉邦は、一族功臣「王」として各地封じた。これにより、皇帝が王を封じるという図式成立したまた、「帝」は「皇帝」の略として広く使われるようになった以後歴代中国支配者は「皇帝」を名乗るようになった戦国時代中期以降から天の代理人である「天子」は諸侯率い存在であるとされ、秦時代には余り用いられなかったが漢代至って盛んに使用されるようになった文帝天人相関説強調することで、皇帝天から代理人であり、「天子」であることを強調した中華思想においては近代的な国境という概念はなく、周辺諸国君主も「天子」である皇帝に従うべき存在であるとされた。周辺諸国との交流は、周辺諸国君主皇帝の徳を慕って使節送り皇帝がそれを認めてその君主王として冊封するという形をとった。したがって皇帝支配する国という意味での「帝国」という概念存在しなかった。 唐代には、高宗皇后武則天影響で「天皇大帝」という別称採用した時期もあったが、皇帝号最後の王朝である清まで使用され続けた

※この「皇帝の定着」の解説は、「皇帝」の解説の一部です。
「皇帝の定着」を含む「皇帝」の記事については、「皇帝」の概要を参照ください。

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